農業水利施設の効率的な構造機能診断及び性能照査手法の開発

課題名 農業水利施設の効率的な構造機能診断及び性能照査手法の開発
課題番号 2012020438
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 中嶋勇
協力分担関係 トライボテックス(株)
ケイズ・プロ(株)
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 構造物の性能低下を予測するための促進劣化試験法に関しては、平成23年度に完了した。低コストで診断可能な非破壊調査法に関しては、a)弾性材料であるシリコンを用いたフィルダム模型による三次元振動実験や複数のダムの非破壊モニタリングを実施して、地山に拘束されたダムの形状や堤高と堤長比などの固有の諸元が地震時の三次元挙動に大きな影響を与えていることを明らかにした。b)電磁波探査による地盤中の浸透流等の微小な変化を監視する技術について、地盤中に発生する水の流れ等のわずかな変化を検出するために、電磁波の伝播特性を利用した地中計測システムを開発した。c)補修・補強後の変状検出に適した非破壊調査手法について、現地調査及び模型試験を行い、赤外線サーモグラフィを用いた水路の変状検出の適用性を検証し、診断に適する時間帯など計測諸条件を明らかにした。d)水路トンネルの覆工厚、覆工背面の空洞分布等諸条件を変化させた有限要素解析により、覆工にひび割れが発生する荷重を算出し、覆工背面の空洞分布が水路の構造安全性に大きな影響を与えることを明らかにした。
構造機能の性能照査法や設計法の開発に関しては、a)水路側壁の摩耗による断面欠損を模擬したRC梁の曲げ載荷試験を行い、摩耗深さと梁の耐力の関係を求め、摩耗した水路の耐力は水路の配筋、応力状態、摩耗深さを考慮することで合理的に算定できることを明らかにした。b)ファイバーモデルによる頭首工の実地震波を入力した動的解析を実施し、頭首工の損傷は門柱基部及び門柱頭部に発生すること、地震波の入力方向により門柱の損傷程度が異なることを明らかにした。
施設の長寿命化のための新材料等を活用した高耐久性・低コスト補修工法に関しては、水路の目地の主たる破壊形態である界面剥離を対象に、紫外線照射及び水中浸漬条件下での強度試験を実施し、これらの要因が接着界面の強度低下の原因であることを明らかにした。
維持管理にかかる意志決定手法に関しては、K土地改良区を事例対象として、非農業者に受益の負担を求める特定受益賦課の導入に向けた課題とその解決策、解決に至った手法等を解析し、多様な主体の参加を促すための意志決定について5段階の手順を提案した。
ストックマネジメントの効果評価手法に関しては、農業生産性に関与する資本、労働力等の総合的な投入量のなかに占める灌漑排水と農地整備の寄与を定量的に評価するモデル式を開発し、9地域に適用した結果、灌漑排水と農地整備の農業生産性に対する寄与が統計的に有意であることを明らかにした。
カテゴリ 管理技術 ストック 低コスト 水管理 モニタリング

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