高機能・低コスト調査技術を活用した農地・地盤災害の防止技術の開発

課題名 高機能・低コスト調査技術を活用した農地・地盤災害の防止技術の開発
課題番号 2012020440
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 川本治
研究期間 2011-2015
年度 2012
摘要 農地地すべり等の予防保全対策の最適化に関しては、a)「手作り防災マップ作成ワークショップ」による住民の災害リスク認識醸成手法を考案した。b)住民が容易に災害などの現地の観測結果を閲覧できるモニタリング装置を開発した。このほか、災害情報や施設管理のための情報をネットワーク上で共有することを目的として、現実の情報と様々なバーチャル情報を重ね合わせてコンピュータ上で再現する「拡張現実」(AR:Augmented Reality)機能を搭載した情報共有管理システムを開発した。
限界状態照査技術の開発に関しては、a)無線式センサにより現状に即した地すべり挙動を観測するための電界通信の限界や計器の長寿命化などの条件を明らかにした。b)孔内傾斜計観測孔を再利用するすべり面間隙水圧観測手法を開発した。c)斜面の危険度を表す安全率を指標とする、貯水池斜面の豪雨に対するリスク算定のための性能照査手法をとりまとめるとともに、電気探査を用いた地震時の斜面崩壊危険度を安全率の指標として提示した。d)地すべり斜面の長期破壊メカニズムを考慮したリスク算定結果に基づく貯水池斜面の地震時の性能照査手法を提示した。e)地盤の破壊機構解明技術に基づく性能照査・活用技術とともに、決壊事例に基づく氾濫域予測手法の開発に着手し、堤体内浸透に起因する堤体土粒子の崩壊・移動の予測法を提示した。また、具体的な被災地区を事例として、ため池堤体決壊による簡易氾濫解析を行う場合、ため池堤体の破堤状況の設定が洪水到達時間、洪水の流速と水深に大きな影響を与えることを明らかにした。
農地海岸施設の安全性に関しては、a)福島県内の溜池の被災では、震度と被災率(被災ため池数/地域内のため池総数)の間に高い相関があることを明らかにした。b)水理模型実験により、二線堤(本堤背後の堤防)と農地の段差設定が津波遡上速度を約4割低減させることを明らかにした。c) 亘理町の津波の被災実態の追跡調査を行なった結果、津波被災から18か月後でも、排水路の塩分濃度が高い地域があることが明かとなった。これは、地下水位が高く、塩水の流動性が低いためと判断した。また、除塩には圃場ごとでの対策が可能なブロック排水が有効であると判断した。d)台風の経路などの属性を確率台風モデルで統計的に算定して外潮位と内水位の確率的な変動特性を評価する手法を開発した。排水機場ポンプの性能設計について検討を行い、確率降雨、ポンプ排水能力、外水位、土地利用、湛水による経済損失等の考慮が必要であることを示した。また、ライフサイクルコストと性能設計と費用対効果分析は一体化可能であることを認めた。
カテゴリ 管理技術 管理システム コスト 低コスト モニタリング

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