課題名 | 自然エネルギー及び地域資源の利活用技術と保全管理手法の開発 |
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課題番号 | 2012020444 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
後藤眞宏 |
協力分担関係 |
日野川流域土地改良区 宇宙航空研究開発機構 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2012 |
摘要 | 農業水利施設における小規模水力等の化石エネルギー削減のための管理計画技術に関しては、a)GISを利用して圃場の標高と揚水かんがいへの依存割合に関する情報を集約し、それを基に揚水かんがいに必要な位置エネルギーを推算して各水源からの取水量を再配分した場合におけるエネルギー縮減の割合を概算する手法を開発し、日野川流域地区に適用した。b)緩勾配の開水路部分において未利用の小規模水力を効率よく発電する開放クロスフロー水車を開発するとともに、水路への導入方法を明らかにした。c)用水路の内外水位差を利用して、分水工において水路水位より高い標高に揚水する無動力ポンプを開発するとともに、揚水量算定手法を明らかにした。d)全国の農業水利施設を用いたエネルギー賦存量は、単純計算で、農事用電力需要量の48%を充足できることを明らかにした。独立運転をするマイクロ水力発電は、温室効果ガス排出量の面では系統電力やエンジン発電機より優れていることを明らかにした。e)3タイプで大別される灌漑用揚水水車のくみ上げ方法のうち、適用事例の多い主要な2タイプについて、揚水性能を検討し、それらの回転数と揚水量の関係等を明らかにした。f)同軸メカニカルポンプを利用するメリットの定量的評価において、経済性及び環境影響を指標とすることが有効であることを明らかにした。g)熱エネルギー利用性能の推定に必要なパラメータとして、表層水での取熱交換率はヒートポンプの循環水温と池の水温差1℃当たり、0.7kW/℃~1.3kW/℃であることを明らかにした。 情報統合化技術を活用した資源管理手法及び環境評価手法に関しては、a)中解像度のALOS衛星画像やRapidEye衛星画像を用いて画像分類等による水稲作付判別を複数の地域・時期について実施するとともに、現地踏査データを用いてその判別結果の正誤を検証し、地域別・時期別に判別精度と誤判別要因を明らかにした。b)水田生物相保全等に関わる地域特性の解明について、過疎高齢化地域では耕作放棄に伴って、希少な動植物の生息が確認されている小規模なため池が放棄されやすいことを明らかにした。c)各地の「田んぼの生きもの調査」のデータを通じて、土壌水分条件や水稲の栽培様式など環境条件に対する水田植生の影響を検討し、圃場条件の影響を受けやすい沈水植物イトトリゲモを住民参加型によるモニタリング対象の指標種として新たに選定した。 |
カテゴリ | 管理技術 水田 ヒートポンプ 評価法 水管理 モニタリング |