① 遺伝子組換え作物の開発技術の高度化とその利用

課題名 ① 遺伝子組換え作物の開発技術の高度化とその利用
課題番号 2012020468
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 ?岩 文雄
小沢 憲二郎
高木 英典
川勝 泰二
小郷 裕子
田部井 豊
協力分担関係 学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学
日本製紙(株)
(株)新日本科学
(株)プリベンテック
(株)サタケ
(公財)東京都医学総合研究所
国立大学法人島根大学
(独)国立病院機構相模原病院
(財)生産開発科学研究所
国立大学法人京都大学
研究期間 -4
年度 2012
摘要 1.スギ花粉症治療米に導入した断片化したCry j 1やシャッフル化したCry j 2はスギ花粉抗原特異的なIgEとの結合性や好塩基球の脱顆粒活性が低下しており、免疫寛容に用いる抗原として安全性が高いことが証明された。
2.スギ花粉症治療米を医薬品として開発するため、医薬品医療総合機構(PMDA)に医薬品戦略相談を申し込み、事前相談と対面助言を通じて、調査すべき非臨床安全性試験の項目と共に、医薬品としてのコメの考え方、遺伝子発現構成体自体の安全性、有効成分の規格基準等について、PMDAの考えを確認した。
3.非臨床安全性試験で行う全ての試験は信頼性基準で行う必要があることから、総則を作り、機器の整備、機器管理マニュアル等書類の作成や実験室等の体制を作った。
4.スギ花粉症治療イネの隔離ほ場での生物多様性評価試験および系統選抜を行い、優れた種子品質を示した系統を選抜した。さらにニホンザルでの安全性や有効性評価を行うため、必要なスギ花粉治療米の材料提供を行った。さらに臨床研究に用いるスギ花粉症緩和米の提供を行った。
5.血圧調整機能を有するラクトフェリン由来のLRPVRペプチドおよびルビスコ由来のMRWペプチドを種子中に高蓄積させた組換えイネの世代を進めてホモ化し、種子特性を調査した。
6.人工合成したヒトIL-9やTNF-α遺伝子やヒノキ花粉抗原Chao 1及びChao 2由来のT細胞エピトープから構成される連結ペプチドをコードする遺伝子を発現させた場合、GLP-1遺伝子に見られるRNAサイレンシング誘導配列(RSIS)の機能と同様な遺伝子発現抑制が観察された。21~24塩基のsmall RNAの形成や転写産物のリードスルーなど多くの共通点が見られた。
7.コメの主要な3種類のアレルゲン以外の新規アレルゲンとして同定された発現量が高い2種のグロブリンと、4種類グリコシダーゼについて、保存性の高い遺伝子領域をRNAiにより、胚乳および胚・アリューロン層特異的プロモーターで発現し、低減化させる組換えイネの開発を進めた。
8.フラボノイド合成経路のキーとなる複数合成酵素遺伝子を、イネ種子特異的プロモーターを用い同時に発現させることにより、フラバノン、イソフラボン、フラボノール、フラボン類をそれぞれ特異的に高蓄積させた米を作出することに成功した。特に、フラボン類のトリシンについては水酸化酵素遺伝子を付加することにより、より高度に蓄積させることに成功した。
9.ヒトIL-10のイネ種子中での発現は、IL-10と局在部位が同じプロラミン遺伝子群を低減することで高蓄積が可能となった。IL-10が会合したIL-10 bodyを形成し蓄積しており、活性型の非共有結合の二量体を形成していた。一方、IL-7の種子での産生では小胞体で凝集が観察され、強度の小胞体ストレスから種子品質の劣化や小胞体関連分解遺伝子やプロテアゾーム関連遺伝子発現の増加が見られた。
10.小胞体ストレスセンサーIRE1のRNaseやKinaseドメインの活性を喪失させた変異導入遺伝子を相同組換えにより遺伝子導入し、それぞれのドメインの機能解析を行ったところ、RNaseドメインはOsbZIP50の細胞質スプライシングのみならず、転写後の分泌型タンパク質のmRNAの分解に関与することが明らかになった。一方、Kinaseドメインは生育に必須であることが示された。
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