消費者ニーズの変化に対応した強固な食料サプライチェーンの構築に関する研究

課題名 消費者ニーズの変化に対応した強固な食料サプライチェーンの構築に関する研究
課題番号 2012020317
研究機関名 農林水産政策研究所
研究分担 小林茂典
薬師寺哲郎
内藤恵久
研究期間 2010-2012
年度 2012
摘要 (研究の概要)
①6次産業化の推進に資する海外の類似政策の調査・分析を行うとともに、内外の先行研究等を参照し産業融合と分業の分析等6次産業化の理論的な整理・分析を実施。
②それらを踏まえて穀物、園芸、畜産ごとに特性を考慮した実証的検討を行いつつ、バリューチェーンを連結させる6次産業化の推進に向け、日本型の政策体系や推進体制のあり方を検討。
③地理的表示の保護制度を我が国に導入する消費者ニーズ対応の観点からの意義と効果及び導入に当たっての課題等の分析。
④東日本大震災における食品産業の復旧過程を分析するとともに、食の外部化の進展下での供給不安定要因を解明し、それらを踏まえて各段階における食料供給の不安定要因と消費者ニーズの変化に対応した安定性の高いサプライチェーンを構築するための課題を整理。

(成果の概要)
 6次産業化について、6次産業化推進の必要性とその方法に関しての理論的基盤等を提示するとともに、海外類似政策の分析を踏まえ、新たな6次産業化推進政策の企画立案の検討材料を提供。                                      ○地理的表示においては、6次産業化と関連する諸外国における当制度の運用実態として、フランスの「味の景勝地制度」等EU諸国における地理的表示産品を活用した活性化の取組とその支援策等に関し調査・分析。また、我が国の地域ブランド産品においてとられている品質保証の仕組みの分析等を実施。これらを通じ、我が国で地理的表示保護制度を活用していく上での課題、方向性等について整理。                           ○東日本大震災において食品産業も大きな被害を受けたことを踏まえ、被災地域の食品製造業について、被災状況、対応方法及び操業再開までの期間を調査・分析。また、供給リスクの視点も入れつつ、麦類、野菜、肉類等の品目を対象に様々な統計データや業務データを収集するとともに、流通業者、加工業者、生産者団体等に対しヒアリングを実施し、川上から川下までの流れの中で需給の状況等について整理・分析。

(成果の活用)
①及び②について
・外部向け6次産業化の推進セミナーで活用。                     ・海外の6次化類似政策の調査結果は有用、今後施策への活用を検討。
・バリューチェーンとイノベーションの促進の相互関連性等の試論的な検討ならびにビジネスモデル構築のための2軸の視点の考え方の提示は、意欲的な研究成果として評価。6次化推進が単発の新商品開発に終始しないよう、またファンド活用型の案件形成に資するような情報発信(啓蒙)に活用。
・新事業の創出は、経済成長とイノベーションの原動力となるが、事業が独り立ちするまで息の長い取り組みが必要。行政として、需要・供給双方の面からイノベーションの活性化に取り組めるよう、中長期視点から研究成果を積極的に活用。                 ・国内産麦の需要拡大に向け、生産地や民間流通連絡協議会において研究成果を活用。民間流通協議会の論点整理に大いに貢献。                          ③について
・EUにおける地理的表示を活用した取組みへの支援、国内外におけるブランド産品の品質管理の実例及びTPP参加国等における制度の現状等をはじめ、地理的表示保護制度研究会及びその議論を踏まえた制度検討にあたって不可欠な参考資料として活用。
・EUとのEPA交渉が開始し、またTPP交渉への正式参加が決定されている中、今研究の成果は、これらの交渉における方針の検討にあたっても有用。
④について
 25年度、当局では、首都直下地震及び南海トラフ地震の発生が懸念される地域において、食品産業事業者間の連携・協力を支援するための補助事業を実施する予定であり、本研究で示された食品企業の操業再開までの日数の要因及び震災対応の効果等の調査・分析結果について、事業を実施していく上で、参考データとして活用。
カテゴリ 加工 需要拡大 地域ブランド

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