F 気候変動に対応した水資源保全と山地災害防止技術の開発

課題名 F 気候変動に対応した水資源保全と山地災害防止技術の開発
課題番号 2013023160
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 高橋正通
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 <研究内容>
森林の水循環過程を解明するために、クローズドチャンバー法による林床面蒸発の測定手法を開発するとともに、林冠の降雨遮断特性を多様な森林群落で比較することにより、蒸発量の変動要因を明らかにする。森林流域における降雨水質および渓流水質の長期観測に基づき、森林流域の水質の変動特性を明らかにする。森林における放射能汚染の調査・研究を継続して、森林生態系の放射性セシウム動態を明らかにする。津波軽減効果の高い海岸防災林造成技術を開発するため、樹木を並べた状態を対象とした水理実験を行ない、流水に対する林帯の抗力係数と単木の抗力係数との関係を明らかにする。雪崩の発生条件の解明のため、積雪変質モデルを用いて発生区の積雪を推定し、雪崩のすべり面の雪質やその形成過程を明らかにする。積雪地域の地すべり災害の予測精度を向上するため、伏野地すべり地の土塊が積雪荷重や地震動によって圧縮沈下する過程を観測によって明らかにする。
<成果の概要と活用>
森林の水循環過程の解明に重要な林床面蒸発の測定手法についてクローズドチャンバーによる比較的精度の良い新たな手法を開発した。ヒノキ林間伐後、樹冠通過雨量の多い状態が少なくとも3年間は続き、間伐による水源かん養機能の増進効果が持続することを明らかにした 。福島の森林における放射能汚染の調査を継続し、放射能で汚染されたスギ林に生息するミミズの放射性セシウム濃度は、餌である落葉より低く、ミミズ体内における濃縮はないことを確認した。また、海岸林の林帯としての防災効果を水理実験により明らかにし、数値シミュレーションモデルを開発するとともに、津波後のクロマツ枯死原因を解析し、枯死は地形要因によることを明らかにした。雪崩の発生条件の解明のため、雪崩発生地区の積雪状態をモデルで推定し、雪崩のすべり面の雪質やその形成過程との関係を明らかにした。さらに、積雪下の地すべり災害の予測ため、積雪荷重による土塊のひずみ量を観測した。こららの成果は林野庁のプレスリリースや海岸林復興に利用されている。
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