(カ)生態系における有害化学物質等の動態解明と影響評価手法の高度化及び除去技術の開発

課題名 (カ)生態系における有害化学物質等の動態解明と影響評価手法の高度化及び除去技術の開発
課題番号 2013023177
研究機関名 水産総合研究センター
研究分担 河野久美子
桑原隆治
持田和彦
?野健志
伊藤克敏
隠塚俊満
田中博之
大久保信幸
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要  海洋生態系における有害化学物質の動態を解明するため、多環芳香族化合物のナフタレン及びフェナントレンをマコガレイへ経口投与 し、魚体への取り込み速度定数、排泄速度定数及び濃縮係数を求め、マコガレイ中の濃度は餌料中濃度以上には濃縮されないことなど、底生魚における多環芳香族化合物の蓄積性の一端を解明した。
 汚染された底質の間隙水について、約1,000種類の有害化学物質を対象とした網羅解析を行った。その際に、 多環芳香族化合物の標準物質を使用することにより、検出感度と分析精度の向上を図った。また、有害化学物質による汚染状況を推定するため、有害化学物質の使用形態や海域別の使用量、水溶解度や水中分解性等の環境動態に影響する情報の収集や先行調査事例の解析を行い、数値モデルによる予測環境中濃度の算出法を検討した。これに基づき、広島湾における防汚剤(ポリカーバメート)の予測環境中濃度を算出した。
 同一の底質試料から異なる溶媒を用いて抽出・検出された化学物質について、データベースに基づき毒性評価を行った。各溶媒を用いて算出された毒性の総量を比較することで、底質由来の有害化学物質の抽出技術の高度化を図った。また、ポリカーバメートのマコガレイ、 マダイ、珪藻及び鞭毛藻に対する毒性、 並びに多環芳香族化合物の貝類に対する毒性をそれぞれ評価した。
 化学物質分解能力に優れた環形動物種をスクリーニングし、最も高い分解能を示した海面養殖場下に生息する海産ミミズの種を同定した。また、海産ミミズの継代飼育が実験室内でも可能であることを確認した。海産ミミズの生息域における生物量調査により、春から夏にかけて個体重量が最大となること、夏季に成熟個体の割合が高くなり、冬季に成熟個体が観察されなくなること等を明らかにした。さらに、汚染底質に曝露した海産ミミズの発現遺伝子及び代謝物の網羅的解析を行い、薬物代謝酵素の活性化とそれに伴う体内代謝物を連動・調節しながら汚染底質に順応することを明らかにするとともに、体外に排泄する過程で有害化学物質を分解していることが示唆された。
カテゴリ データベース

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