課題名 | (ア)クロマグロ及びウナギの種苗量産技術の開発 |
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課題番号 | 2013023178 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
乙竹充 田中秀樹 岡雅一 野村和晴 山本剛史 山本剛史 風藤行紀 塩澤聡 高志利宣 古板博文 玄浩一郎 田中庸介 樋口健太郎 菅谷琢磨 二階堂英城 澤口小有美 清水昭男 奥澤公一 森広一郎 |
協力分担関係 |
近畿大学水産研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | クロマグロ未成魚(人工2歳魚)の安全な長距離(奄美大島から長崎市)輸送技術及び大型陸上水槽への収容技術の開発に成功するとと もに、これら親魚候補群の陸上水槽における適正飼育条件の検討を行った。その結果、高水温時(26℃以上)や飼育海水に餌由来の濁りが発生した時に衝突死が発生しやすくなる傾向が認められた。 市販の親魚用配合飼料または生餌をクロマグロ親魚群に給餌し、それらから得られた受精卵の一般成分分析を行った結果、配合飼料給餌 区の方がDHA含量は少なく、脂質含量やビタミン類は多いことが判明した。クロマグロ成魚の人工消化実験系により、生餌に比べて市販魚 粉の消化性が劣ることを明らかにし、また、ブリをモデルにした親魚養成試験により、DHAを含むリン脂質に卵巣の発達を促進する効果が あることを明らかにした。 平成24年度に開発したクロマグロ仔稚魚の消化能力に関する実験系を利用して、仔稚魚期における各種消化酵素の至適温度及び至適pHを 調べた結果、トリプシンやアミラーゼ等は40℃、リパーゼは30℃程度で高い活性値が安定的に得られ、また、いずれの酵素についても至適pHは8と考えられた。酵素処理魚粉を使用したクロマグロ仔稚魚用配合飼料の実用化を進めた。 水中における魚体計測方法の開発においては、5つの推定モデルを検討し、魚体測定の推定精度については第一背鰭起部を起点とするよりも第二背鰭起部の部位を起点とする方が、また、体高よりも体幅を説明変数とする方が精度が高いことを明らかとした。 成熟段階の異なるクロマグロ個体での肝臓、脳、脳下垂体及び視床下部において、全ての遺伝子の網羅的な発現遺伝子解析を行うととも に、 近縁魚種カンパチ及びマサバの生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子等の発現動態の解明及び成熟誘導条件を把握した。また、親魚選別 のための技術開発では、水中銃による麻酔薬の投与に成功し、クロマグロを担架に収容して水面で作業することが可能となった。 ニホンウナギの遺伝子組換え生殖腺刺激ホルモンの分子構造を改良し、ホルモン活性を高めた。ニホンウナギ雄の成熟促進には、遺伝子 組換え黄体形成ホルモンの単独投与が最適であることを明らかにした。ニホンウナギの人工飼育魚は、天然魚より肥満度が高く、体側筋が厚いため採卵に支障を来すプラグ(総排泄孔から飛び出た卵巣の一部)が形成されやすいことが推察された。平成24年度までに構築した解析家系(F1)の一部個体群を次世代の優良親魚の選抜候補として飼育を継続した。ニホンウナギの高密度遺伝連鎖地図(染色体上の遺伝子の位置を示した地図)の構築を進め、選抜方法の検討を進めた。 ニホンウナギのレプトセファルス用生物餌料として、微小ワムシ(プロアレス)や天然マリンスノー様物質を投餌して摂餌を確認したが 、いずれの餌料投与区も成長は確認できなかった。サメ卵飼料への糖の添加は、ニホンウナギ仔魚の成長促進に有効で、摂餌量が増加し、生残・成長も改善された。遺伝子組換えウナギ成長ホルモンを添加した餌により、ニホンウナギ仔魚の成長が促進した。1t水槽を用いる新たな飼育方法を開発し、ニホンウナギ仔魚の飼育規模の拡大と大幅な省力化に成功した。 |
カテゴリ | 環境対策 省力化 輸送 |