課題名 | 預託期間拡張を可能とする公共牧場高度利用技術の開発 |
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課題番号 | 2013023021 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
井出保行 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 土地資源を高度に活用した放牧技術に関しては、a) 3Dデジタルカメラにより牛の側面画像を撮影し、任意点の3次元座標から2点間の距離を算出することにより牛の体高を計測する簡易体型計測手法を開発した。黒毛和種及びホルスタイン種育成牛の計測では撮影及び解析に1 頭当たり4分間を要し、体高の測定値は、体尺計による測定値に対して相関係数0.98、誤差±4cm程度で、得られた値から体重を推定することも可能である。飲水場付近に自動撮影装置を組み込むことで、放牧牛の自動3D画像モニタリングを可能とした。b) 放牧地の植生に変化 をもたらす牛道の発生や排泄ふんの分布は、主に傾斜度によって規定されるため、1/25,000の地図画像を用いた傾斜区分図(緩傾斜:12度未満、中傾斜:12~16度、急傾斜:16度以上)を作成し、さらに水系図から緩傾斜区分を尾根型と谷型に区別して牧場の管理区分図を作成した。放牧地の雑草管理に向けては、主要雑草の分布特性(侵入・拡散)と関連付けることで、管理区分に応じた雑草発生リスクを提示した。牧草の生産管理では、管理区分に応じた部分施肥(排泄ふんの多い緩傾斜区分を無施肥とし、急傾斜区分のみに被覆尿素を年1回施用 )を行うことで、慣行の年2回の全面施肥と同等の家畜生産量(日増体量)が得られることを実証した。さらに、各管理区分の草量を正確 かつ簡易に推定する技術として、季節性を組み入れた検量線の導入によるライジングプレートメーター(草量計)の利用法を提示した。 このほか、a) 平成24年度に開発した公共牧場における獣害の定量的な評価指標(草高のケージ内外差による牧草被害率の簡易推定法)に ついては、現地牧場と協議し、ケージの設置費用、労力面から実用的なケージの設置個数等を明らかにした。加えて、新たに作成した「電気柵導入決定支援シート」を用いることで被害率(被害額)の算出が容易となり、電気柵導入によるコスト比較により、被害対策資材導入の意思決定に役立てることを可能とした。 |
カテゴリ | 病害虫 コスト 雑草 施肥 放牧技術 モニタリング |