課題名 | カンキツのブランド化支援のための栽培情報の高度利用生産技術と園地整備技術の開発 |
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課題番号 | 2013023046 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
根角博久 |
協力分担関係 |
マメトラ四国機器 有限会社エルガ 兵庫農技セ 岐阜県中山間セ中津川 古川ロックドリル 愛媛県果樹研究センター 香川県府中果樹研 (株)NEC システムテクノロジー 和歌山県果樹試 広島県総技研 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 樹体の生体情報を活用したカンキツの高品質安定生産技術の開発に関しては、a) 園内道の設計支援システムに、園内道の法勾配の任意指定や法先座標の算出ができ、オルソ画像上に法先位置を描画する機能を組み込んだ。また、システムの地形データとして国土地理院の基盤地図情報数値標高モデル(5mメッシュ)の利用が可能となるプログラムに修正した。b) 高機能モノレールの制御プログラムでは、誤操作 、エラーからの復帰に関する改修を行った。また、1回に3個のコンテナを等高線運搬し16往復する階段園のモノレール運搬時間は、全運搬時間の42%を占めており、モノレールと運搬車の運用法を改善することで運搬効率を向上させうることを明らかにした。c) 歩行型管理機 をベースに開発した幅広作業道造成機の掘削能力や操作性を向上させ、傾斜20度以下の果樹園において、幅1.2mの通路を10m当たり10分で 造成を可能とした。d) 雨水再利用のための貯水施設の設計に必要なカンキツ園での水需要の情報の整理、小規模分散水源システムのアル ゴリズムの基本設計、雨水の水質浄化に用いる竹炭の基本物性の解明を行った。e) 小規模独立型太陽光発電システムと小型高揚程ポンプ を組み合わせて、60m以上の揚水ができるシステムを構築するとともに、ポンプの間欠運転を行い機材の劣化を抑制することで、ライフサ イクルコストを低減できる傾斜地における点滴かんがい用の水源設置技術を開発した。f) 点滴かん水施設の水源へのSS(浮遊土砂)流入 量は、大規模出水時(降雨強度15mm/h以上)に大きく増加し、全リン流入量と相関があることを確認した。g) マルドリ方式における日点 滴かん水施肥量が一定以上では、苗木の生育に差がないことを明らかにし、2次元土中水分・塩分移動予測汎用プログラム(HIDRUS-2D)を用いたシミュレーションにより、根域外に水が浸潤するようなかん水施肥方法は効率が悪く、一度に多くのかん水を行うより少量かん水を繰り返す方が、過湿部分の発生を抑えられることを明らかにした。h) カンキツ用簡易土壌水分計の規格を決定して商品化するとともに、 簡易土壌水分計における1日当たりの水位低下量が葉の水分ストレスの、収穫時までの積算水位低下量が果実糖度の指標となりうることを 明らかにした。i) 設定した目標水ポテンシャル値に近づけるよう、電磁弁の開閉を自動制御するかん水装置のプロトタイプを作製した。j) 樹園地の気象を精密に推定するための無電源で観測できる気温観測装置を試作し、データ収集と解析のためのシステムのプロトタイプを開発した。k) これまで一定の値とされていた実蒸散量を決定するために必要な係数は、気象条件により変化することを明らかにした。ま た、環境制御室内での樹の蒸散量予測では、葉の最大水ポテンシャル(Ψmax)が-0.6MPa以下の水分ストレスとなる状態で、主幹部の樹液流速が減少することを明らかにした。l) 試作した黒色透湿性のカラーマルチシートは、既存の白色ポリエチレン不織布シートに比べて抑 草効果が高く、ほとんど草が生えないことを明らかにした。m) 試作したカラーマルチシート(黒色)を新植スダチの樹冠下に敷設し、マ ルドリ方式で栽培した場合、白色のポリエチレン不織布シートの敷設に比べて樹容積が大きく、平均着果個数が多くなることを明らかにした。n) カンキツにおいて、樹別の日蒸発散量の推定に基づきマルドリ方式により根域に点滴かん水施肥を行うことで、1年生苗木を定植して3年目から高品質な果実を生産(早期成園化)できることを明らかにした。o) このマルドリ方式を活用した早期成園化技術の導入により、慣行栽培より育成期間を2年間短縮できること、育成期間の物財費は73%増であるが、労働費を加えた育成費用は21%減となることを明 らかにした |
カテゴリ | カラー 環境制御 傾斜地 コスト 栽培技術 自動制御 すだち 施肥 早期成園化 茶 その他のかんきつ |