気候変動が農地・水資源等に及ぼす影響評価と対策技術の開発

課題名 気候変動が農地・水資源等に及ぼす影響評価と対策技術の開発
課題番号 2013023090
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 名和規夫
協力分担関係 道総研
沖縄農研セ
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 水資源に対する温暖化影響評価方法の高度化に関しては、a) 水配分・還元・管理モデルと全球気候モデルの結合方法として確率分布を使用したバイアス補正法を開発した。b) 全球気候モデルの分析結果に基づき基準雨量を設定し、降雨分析結果を用いた豪雨の模擬発生法を 開発した。冠水による水稲被害を評価するための実証試験を行い、水稲生育並びに収量に与える影響を明らかにした。c) 水田地帯の持つ 洪水貯留機能と排水能力の関係式を作成し、平成15年新潟豪雨、平成12年東海豪雨、平成23年タイ国大氾濫等の検証を行うとともに、気候変動等で増大する超過豪雨に対する適応策としてその機能を利活用する手法を開発した。d) ため池や貯水池の運用・管理モデル等を用い て、ため池群による洪水緩和効果の影響評価法及び流域にあるダムを統合的に運用したときの渇水を軽減する効果を明らかにした。e) 総 合的な対応策検討に対応するため、気候変動による気温や降雨量等の変化が、作物収量、外観品質及び排水被害を通じて、稲作の生産量と費用面からみた総合生産性に及ぼす影響を評価する手法を開発した。
気候変動に対応した水資源の保全管理手法に関しては、a) 石川県手取川扇状地末端の安産川において、地下水が有している水温安定化機 能についての基礎データを取得するため地下水温連続測定を実施し、地下水温は年間を通して変動が小さいこと、安産川の上流部より下流部の方が水温変動が小さくなる傾向があることを明らかにした。b) 塩淡境界を乱さない地下水の揚水手法として、複数深度から同時に揚 水する装置を作成した。c) 沖縄県多良間島における淡水レンズ地下水をモデル化し、海水面上昇が淡水レンズ水資源量に及ぼす影響を予 測するとともに、島内の地下水位変動から調和解析により分潮の抽出を行い、帯水層の水頭拡散率を明らかにした。d) 福井県九頭竜川下 流地区において、パイプライン水路の整備が水温に及ぼす効果を予測するために、用水が河川取水口から各観測点に至る時間及び変化する温度から、各観測点の温度予測式を作成した。e) 夜間に灌漑を行った圃場では、昼間に灌漑した圃場に比べ、灌漑を行っていない昼の時 間帯にも地温及び群落内温度が低下することを確認した。
農地整備による炭素貯留技術の温室効果ガス排出や炭素貯留量やコストの評価に関しては、有機質疎水材の埋設15年後の推定炭素残存率は、モミガラ<バーク堆肥<木材チップ<木炭の順に大きく、また南北の地域差が大きいことを推定した。各有機質疎水材で日本全体の暗渠を整備した場合の埋設15年後の炭素貯留量は、モミガラ5千CO2t、木材チップ22万CO2tと資材で異なるなど、炭素貯留技術のライフサイク ル評価法を提示した。
カテゴリ コスト 水田 水稲 評価法

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