農業水利施設の効率的な構造機能診断及び性能照査手法の開発

課題名 農業水利施設の効率的な構造機能診断及び性能照査手法の開発
課題番号 2013023109
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 中嶋勇
協力分担関係 トライボテックス(株)
ケイズ・プロ(株)
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 構造物の性能低下を予測するための促進劣化試験法に関しては、平成23年度に完了した。
低コストで診断可能な非破壊調査法に関しては、a) 非破壊モニタリングから求めた深度方向へのせん断波速度の分布と既往の経験式を用 いてフィルダム堤体の剛性を設定し、フィルダム材料物性のバラツキと調査方法の不確実性を反映した有限要素法による地震応答解析法を構築した。b) 赤外線反射光を利用し、ポンプの性能低下の要因となる潤滑油等の劣化度を定量的に診断可能な小型軽量な携帯型測定装置 を開発した。取扱いが容易なため、専門知識がなくても現場で簡易に使用できることを確認した。c) 無機系表面被覆工の摩耗進行をレー ザ距離計により±0.1mmの精度で計測できる装置を開発した。全国で設置・調査が行われている被覆試験水路の継続的な摩耗進行モニタリ ングに活用できる見通しを得た。d) ダム等の挙動観測を行う地中無線通信型埋設計器を開発した。搭載電池の内部抵抗増加による経年劣 化を防止する対策として電池の並列化が有効であることを提示し、実際のフィルダムにおける長期観測結果からその有効性を明らかにした。e) 表面被覆工法により補修された農業用水路に発生する被覆材の浮きを赤外線サーモグラフィを用いて検出する手法を提案し、健全部 と浮きとの表面温度差が0.5℃以上となる環境下で浮きの位置の検出が可能であることを明らかにした。f) 水路トンネルの破壊に、覆工背面の空洞の位置と大きさが影響していることを解析的、実験的に解明し、天端の空洞の範囲が大きいと覆工アーチ部に縦断ひび割れが発生し、天端覆工が上側に変形して破壊に至ることを明らかにした。この成果は、水路トンネルの維持管理における重要な点検項目を示しており、維持管理マニュアルの作成に活用できる見通しを得た。
構造機能の性能照査法や設計法の開発に関しては、a) 土圧が作用するコンクリート開水路では、摩耗による断面欠損により側壁の耐力が 低下する可能性があることを明らかにした。また、摩耗による断面欠損を表面被覆補修することで、側壁の耐力は断面欠損を起こす前の状態にほぼ回復することを明らかにした。b) コンクリート開水路の側壁の中性化深さは、施工区間内でばらつきが大きいため、施工区当た り5cm間隔5点の従来の局所的な測定を1m間隔5点の広範囲な測定に変更することで、各施工区の中性化深さを精度良く推定できることを明 らかにした。c) ファイバーモデルによる地震時の3次元動的解析により、可動堰の応答変位及び損傷形態を推定した。この結果は、可動堰の動的挙動モニタリングのためのセンサ位置選定に活用できる見通しを得た。
施設の長寿命化のための新材料等を活用した高耐久性・低コスト補修工法に関しては、平成24年度に完了した。
維持管理にかかる意志決定手法に関しては、平成24年度に完了した。
ストックマネジメントの効果評価手法に関しては、圃場整備等の農業基盤整備や経営規模の拡大のための施策の効果について、定量的な要因分析を可能とする総合生産性評価手法を開発した。
カテゴリ 管理技術 経営管理 経年劣化 ストック 低コスト 水管理 モニタリング

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