高機能・低コスト調査技術を活用した農地・地盤災害の防止技術の開発

課題名 高機能・低コスト調査技術を活用した農地・地盤災害の防止技術の開発
課題番号 2013023111
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 川本治
協力分担関係 ㈱国土防災技術
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 農地地すべり等の予防保全対策の最適化に関しては、a) GISを活用した土地情報と防災情報の総合評価システムの開発について、自治会 や土地改良区が自ら観測した地区の降雨量等をリアルタイムで住民や関係機関に自動配信する簡易降雨等自立型観測システムを開発し、事例地区での試験運用を行い、実用性を確認した。b) 高精度モニタリング技術を用いた災害発生起点の分析・予測技術開発について、1孔のボーリングに伸縮計と歪み計を組み合わせて埋設し、計測データを地上に無線伝送することにより、複数のすべり面を有する大規模地すべりにおいて、深層すべり面の位置・変位方向・変位量を長期的に監視・観測できる無線式すべり面変位マルチセンサを開発した。c) 降雨 時の飽和・不飽和浸透流解析による地下水面の時間変化から、斜面の崩壊危険度を予測する手法を開発した。現地盤試料による実験から飽和・不飽和の比抵抗の変化が斜面の崩壊危険度の指標として有効なことを確認した。
限界状態照査技術の開発に関しては、a) 詳細な数値情報データ(国土地理院基盤地図情報)を取込み、ため池の諸元・位置情報と組合せ て詳細情報(破堤点等)を考慮することにより、実際の地形等に則したハザードマップを作成するための簡易氾濫解析手法を開発した。b) 平成25年度に決壊したため池9基について現地踏査を行い、氾濫域予測解析結果を検証するための事例データを得た。平成23年台風12号におけるため池の決壊事例を基に、カルバートが目詰まりした場合の対処法を改善し、実際の状況を反映できることを示した。c) 第三紀層 地すべり現地における地中変位観測を行うとともに、層厚の残留強度面で生じる悪条件問題に対処した地盤挙動分析手法を開発した。大規模地すべりにおける現地データを収集して防災対策の効果判定法検討に着手した。
農業用施設及び農地海岸施設の安全性に関しては、a) 東日本大震災によるため池の被災データを精査し、被災ため池の分布は震央及び強 震動生成域起点距離と関係し、その被災(有為波重合)ラインは震度分布に符合することを明らかにした。b) 津波の遡上実験で排水路と 水路側壁による津波の遡上減勢効果を評価し、排水路を活用することで農村地域の津波浸水被害を軽減できることを確認した。c) 津波浸 水以降も除塩ができない地区について、調査と解析を行い、現在の塩分は津波由来ではなく、海からの浸透による可能性が高いことを明らかにした。d) 排水機場の性能設計について、確率台風モデルで発生させた台風を基に年最大潮位偏差の非超過確率を評価し、モデル地区 における高潮発生の再現期間を明らかにした。
カテゴリ 管理技術 低コスト モニタリング

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