課題名 | 地域農業の変化に対応する用排水のリスク評価及び運用管理手法の開発 |
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課題番号 | 2013023113 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
久保田富次郎 |
協力分担関係 |
石川県 石川県立大学 東北農政局 農村振興局防災課 東北農政局水利整備課 ㈱日水コン |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2013 |
摘要 | 渇水等関連リスクの定量的評価手法と水資源の運用管理手法に関しては、a) 貯水池運用、取水や用水配分・還元等の人為的過程を表す用水配分・管理モデルを流域水循環モデルに組み込み、河川流量を良好な精度で再現することに成功した。b) 洪水リスクについては、中山 間水田の耕作放棄の進行が流域の短期流出特性に及ぼす変化を再現する解析モデルを開発した。c) 水資源開発が行われている流域の河川 における渇水リスクについては、水田灌漑における灌漑開始日を1日ずつ移動させ、その灌漑期における単年度の渇水流量を算定し、これ を作付期間の渇水流量を指標としてリスク評価する手法を開発した。d) 石川県手取川扇状地や山形県七五三掛地区の地下水中の水素・酸 素安定同位体比、ラドン濃度を指標とすることで、水田水利用による涵養・流出の変化、地すべりブロック外からの流入の有無の検出が可能であることを明らかにした。 高温リスクと用水需要の変動機構及び地区レベルの適切な用水管理手法に関しては、高温障害対策の影響を分析し、登熟期の高温障害を回避するために、冷涼な地域で遅植え、温暖な地域で早植えが多くなるなど田植え時期の変更による対応が最も多く、さらに高温時には取水量を増やす営農者が多くなること等を明らかにした。 水質汚濁のリスクの評価手法と水質管理に基づく適切な用排水管理手法に関しては、畜産排水が流入するダム湖において、糞便性大腸菌群数の上流から下流に向けた移動を実測し、ダム湖での観測値をベースに鉛直一次元モデルに糞便性大腸菌群の生態系モデルを実装した数理モデルを開発した。これにより農業用貯水池内における糞便性大腸菌群の拡散抑制のための水管理手法を提案した。 このほか、a) 震災復興における用水需要について、地震に伴う地盤沈下により塩水浸入した農業用水の取水河川の塩分濃度モニタリング を行い、その結果に基づき被災後の継続的なモニタリングの方法と塩分濃度に応じた用水管理を土地改良区等の施設管理者へ提案した。b) 農地復旧の現地調査から、制度上分かれている災害廃棄物処理から除塩への移行において、埋没瓦礫の処理、雑草繁茂等の問題が生じる ことを指摘し、連携した実施の必要性を明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 管理技術 高温対策 雑草 水田 中山間地域 水管理 モニタリング |