高濃度汚染土壌等の除染技術の開発と農地土壌からの放射性物質の流出実態の解明

課題名 高濃度汚染土壌等の除染技術の開発と農地土壌からの放射性物質の流出実態の解明
課題番号 2013023117
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 石田聡
協力分担関係 (株)DOWAエコシステム
(株)クボタ農機
(株)ヤンマー
(株)井関農機
(株)ササキコーポレーション
(株)三菱農機
飯舘村
福島県
千葉県
研究期間 2012-2015
年度 2013
摘要 除染技術の開発と体系化に関しては、a)シールドキャビン付きトラクタについてエアフィルタの構造、取り付け方法等を改良し、キャビ ン内の粉じん量を標準キャビンの20分の1に改善した。b)機体の全高が3,260mmから2,650mmと標準のトラクタと同等になったため、問題で あった輸送や格納時の取り扱い性を大きく改善した。開発した高精度表土はぎ取り機による現地作業時の粉じんは、除染電離則に定められた高濃度粉じん作業の基準値10mg/m3を大きく下回ることを確認した。c)福島県南相馬市小高地区において水によって土壌を攪拌する除染 試験を行い、3回の除染作業後に高さ1mの空間線量率は61%~65%の低減を、土壌中の放射性Cs濃度は48%~52%の低減を認めた。d)福島 県福島市及び郡山市の圃場において代かき試験を実施し、NaI(Tl)検出器を設置した水槽に代かき排水を導水することで、ガンマ線スペ クトルを連続的に測定できることを確認した。e)NaI(Tl)を検出器に用いた可搬型ガンマ線測定装置を移動車に搭載し、遠隔操作で放射性 セシウムの平面分布を測定するシステムを開発した。
汚染された土壌や植物残さ、堆肥等の減容・処理技術に関しては、a)減容化設備を連続運転し、処理効率の向上を図った。また、複数材料を混合し成型する試験を行い、汚染された植物残さに堆肥を10~33%添加することで、かさ密度500kg/m3を大きく超えるペレットを製造できることを明らかにした。b)ロールベールラップサイレージに適切な穴を開けることにより、簡易な堆肥化を促進して初期比1/3程度まで の減量・減容処理を可能とした。また平成24年度に汚染サイレージを施用した圃場で経時調査を行い、前年度に比べ大幅に放射性セシウム濃度が低下していることを明らかにした。
農地周辺施設の効率的除染技術に関しては、a)土壌凍結により除染が困難になる前に表層のみ耕うんして小土塊状態を作ることにより、冬期においても剥ぎ取りを可能とする新たな除染工法を開発し、現地でその効果を実証した。また、湿潤な土壌に利用可能な新たな固化剤を開発し、これらの研究成果をマニュアルとして公表し関係機関に配布した。b)福島県においてモニタリング調査を実施し、農業用水や河川における濁度及びSS(浮遊物質量)と放射性セシウム濃度との間に線形関係を認め、濁度もしくはSSをモニタリングすることで、簡易に農業用水中の放射性セシウム濃度を推定可能とした。
農地土壌からの放射性物質の地下浸透や農地外への流出等の実態解明に関しては、a)幹線用水路において、水路勾配が比較的大きな上流部で見られる砂質堆積物に含まれる放射性セシウム濃度は比較的低かったが水路勾配が緩やかで流速が低下する一次支線用水路の泥状堆積物では上流部に比較すると高いことを明らかにした。b)水路内の単位面積当たりの放射性セシウムの堆積量と、それぞれの場所への放射性セシウムの沈着量(文科省・放射線量等分布マップ)とを5地点で比較し、一部を除いて水路内の放射性セシウムの堆積量はその地点への沈 着量より小さいことを確認した。
カテゴリ 遠隔操作 除染技術 モニタリング 輸送

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S