課題名 | 中型トラクタのロボット化 |
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課題番号 | 2012021264 |
研究機関名 |
国立大学法人 北海道大学 生研センター |
研究期間 | 2011-2012 |
年度 | 2012 |
摘要 | 実際のほ場に対して適正な作業経路計画を生成する作業ソフトウェアを作成し、システムに実装した。作業ソフトウェアは生研センターが開発したGIS営農情報管理システム「FARMS(ファームズ)」の拡張機能として作成され、対象ほ場の外形を設定することで、トラクタロボットの作業経路を自動生成することができる。ほ場外形の設定方法としては、事前にGPS等で測量した座標点を読み込む方法の他に、トラクタロボットを手動運転したときの走行軌跡や航空写真等のオルソ画像を参考にマウス操作で指定することも可能である。作業経路計画は往復行程と周り行程を組み合わせて生成され、自動生成後に作業開始場所や作業行程の調整をマウス操作で行うことができるなど、使いやすいユーザインタフェースを有している。これにより、矩形以外のほ場形状であっても作業経路計画を作成することが可能となった。 作業ソフトウェアで生成した作業経路計画に従って作業、走行するための、トラクタロボットの制御プログラムを改良し、正常に動作することを確認した。 生研センターの附属農場の稲刈り後の水田において、矩形の1隅を丸くした変形ほ場を想定して作業経路計画を作成し、トラクタロボットによるロータリ耕うん作業試験を行い、作業開始から終了まで中断せず、また設定した作業範囲を、行程間の残耕無く作業できることを確認した。走行軌跡の作業経路からの左右方向の偏差は若干、大き目の値となった。これはタイヤに土塊が付着して旋回時の走行精度が低下したことや、タイヤが未耕部分と既耕部分の段差を乗り越える際に横滑りが生じたことが原因と推測され、作業精度向上にはこれらの現象への対応が必要と考えられた。また、ほ場作業量は15.0a/hと若干、低い値となった。これは主に旋回時の切換しに時間を要したことが原因であり、手動運転時と同様の高速な旋回方法を実現することで改善が図れると推察された。 以上、ロボット農作業一貫体系のためのトラクタのロボット化について、実作業への適応性を高めるために改良を行った。 |
カテゴリ | 管理システム GPS 水田 ロボット |