課題名 | 大型トラクタのロボット化 |
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課題番号 | 2012021265 |
研究機関名 |
国立大学法人 北海道大学 |
研究期間 | 2010-2012 |
年度 | 2012 |
摘要 | ロボット作業管理システムとの連携を強化し,外部からの作業指示指令に対応できるようにした。 トラクタ内部の通信がCANで構成されるヤンマー社製トラクタEG83を用い,ロボットトラクタへの改造を行った。これにより,軽微な改造でロボット化できる可能性を示し,実用化への指針を示すことができた。本ロボットトラクタをプラットフォームとし,ロボットトラクタ作業管理システムや障害物検出センサの開発課題との連携した試験を行った。 ロボットトラクタ実用化の一つの方向性として,有人トラクタとの協調作業試験を行った。これはロボットトラクタが先行車両としてロータリーハローによる耕耘を行い,続けて有人トラクタが施肥・播種を行うものである。ロボットトラクタには周囲を監視できるカメラを設置し,画像電送装置を用いて有人トラクタに周辺画像を送信する。有人トラクタには受信した画像を表示するモニタを設置し,運転者が先行するロボットトラクタの周辺状況を監視できるようにした。また,有人トラクタにはロボットトラクタ操作用コントローラを設置し,緊急時に停止させるのみならず,補給作業時の一時停止機能,作業の状態に応じて加減速を行うこともできるようにした。これにより,有人トラクタに等蔵したオペレータがロボットトラクタ周辺の安全性を担保できるのみならず,大規模化するほ場に対して大型トラクタを導入しなくても,従来機と同出力のロボットトラクタを導入することで2倍の作業効率を実現することができる。また,作業性に関しても,先行するロボットトラクタの作業機にマーカーを設置することで,有人トラクタがそれほど熟練したオペレータでなくとも高精度に作業可能であることが明らかとなった。 準天頂衛星「みちびき」を用いたLEX-PPP方式の走行試験を行った。本手法はRTK-GPSのような補正信号を必要としないため,ロボットトラクタ低コスト化の一つとして有効と考えられる。現在のシステムでは約15cm程度の誤差と目標精度を満足するには至らなかったが,今後のシステム向上,使用目的によっては十分に利用できるものと推測された。 |
カテゴリ | 作業管理 GPS 施肥 大規模化 低コスト 播種 ロボット ロボットトラクタ |