課題名 | 中型トラクタロボットの現地適応性 |
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課題番号 | 2013023456 |
研究機関名 |
国立大学法人 北海道大学 生研センター |
研究期間 | 2013-2014 |
年度 | 2013 |
摘要 | 稲麦大豆作等の土地利用型農業における各種農作業を自動で行うロボット農作業一貫体系のうち、水田作における実際の作業へ適応させるためのロボットトラクタの開発において、2013年度は、実用性向上のための作業ソフトウェアの拡充や制御プログラムの改良を行い、農家ほ場などの実ほ場にて耕うん作業と代かき作業の実証試験を実施することで実用性向上のための知見を得た。 1) 本機の可用性・安全性向上のため、トラクタの遠隔操縦・監視機能を追加し、ロボットトラクタシステムとして統合した。これにより自律作業時のカメラ映像や車両情報等による遠隔監視や一時的な遠隔操縦への切替えが可能になった。 2) 実ほ場での各種作業に対応するために作業ソフトウェアの作業経路計画生成機能を改良し、代かき作業のように往復行程で隣接行程を順に走行せず偶数・奇数行程の順に(1行程おきに)作業する経路順序や、行程を作業幅の半分ずらして2回作業する経路作成が可能になった。また、制御プログラムを改良し、車両の旋回方法として前輪倍速と片ブレーキを使用したUターンを可能とし、走行精度と作業効率の向上を実現した。 3) 茨城県つくば市の農業生産法人が所有する水田において、2013年5月7~12日にロボットトラクタによる耕うん作業(ロータリ耕)と代かき作業(粗代、仕上代)のほ場試験を実施した。作業の順序は、耕うん作業ではほ場内側を自律作業、残った最外周1周を遠隔操縦で行った。また、代かき作業ではほ場内側を自律作業、残った外周行程(2回目)と最外周1周をオペレータの乗車運転で行った。耕うん作業では途中、GPSの測位精度低下により自律運転が中断されたが、一時的に遠隔操縦へ切替えることで作業を継続できた。旋回時間は隣接行程へのUターンが可能になったことで、切返しターンを使用した2012年度の耕うん試験時に比べて平均で約22%に短縮できた。代かき作業では1行程おきの経路順序や半行程ずらした経路の作業経路計画を実ほ場に合わせて作成し、自律作業することができた。しかし、作業速度が遅かったためほ場作業量は約18a/hと少なかった。作業後のほ場表面(均平性)には特段の問題は見られず、後日、田植え作業を実施できた。 |
カテゴリ | GPS 水田 大豆 ロボット ロボットトラクタ |