先端技術を活用した流通・加工利用技術及び評価技術の開発

課題名 先端技術を活用した流通・加工利用技術及び評価技術の開発
課題番号 2013023106
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 鍋谷浩志
研究期間 2011-2015
年度 2013
摘要 農差物・食品の流通・加工工程の改善や開発に関しては、a) イチゴの一段トレー収納用包装容器の通気孔レイアウトのアレンジにより、トレー周辺の空気の流速をある程度大きくできる可能性をCFD(数値流体力学)解析により見出した。このことにより、通気孔径を通常の ものよりも小さくすることができ、包装容器の強度の向上も期待できる。b) 伝統食品「かぶら寿し」の促成製造技術開発のため、中高圧 処理を適用し、ブリ塩漬(えんし)工程に約4週間を要していたところを1日間に短縮した。しかも、色合い、旨み、テクスチャー等が向上し、全体の製造工程は約5週間から約10日間に短縮し、効率的生産に道を拓いた。c) 包装済み水産物中の耐熱性細菌を殺菌可能な短波帯レトルト装置を試作し、サンマを用いて枯草菌芽胞をの99%以上を失活できることを確認した。d) チャネル直径が50μm又は100μmの非対称貫通孔型MC乳化基板を用いることにより、サイズが均一な微小ダイズ油滴(直径:150~300μm)を製造できた。また、オリーブの葉に多 く含まれている親水性機能性成分(オレウロペイン)を内包した単分散W/O/Wエマルション(平均油滴径:25μm)もMC乳化により製造でき、内水相液滴(平均径:0.1μm)の中に0.1wt%のオレウロペインが内包されていた。e) マイクロサイズまで乾式粉砕した粒度の異なる米粉の加工適性について検討したところ、平均粒径10μm以下に乾式粉砕した米粉は損傷澱粉の割合が30%以上となり、粒度の粗い米粉とは 異なる加工適性を示すことを明らかにした。
先端技術を活用した新規評価手法や新規素材化技術の開発に関しては、a) シアル酸含有糖鎖結合能を獲得したR型レクチン改変体の分子内運動性をNMRにより解析し、新たに形成された運動性の高い領域を特定した。高分解能質量分析システムによって、トマトとリンゴの多様 な成分含量の特徴から品種などを見分けられる可能性を見出した。b) アレルゲン検出のためのサンドイッチELISA定量系を構築するため、抗体濃度等の条件を検討し、コメアレルゲンの1つglyoxalase Iについて、数10ng/mLでの検出が可能となる系を構築した。また、脂溶性スピントラップ剤PBNを用い、加熱後の油(オリーブオイル、ナタネ油、綿実油)に存在するラジカルを電子スピン共鳴(ESR)スペクトルとして捕捉計測した。その結果、加熱後の油には2種類の過酸化ラジカル(ペルオキシラジカルとアルコキシラジカル)が同時に存在してい ることを明らかにした。c) 採血を必要としない近赤外分光法による血糖値測定法の実用性について、糖尿病患者約40名を測定し、個人レ ベルでは比較的精度のよい測定が可能であることを確認し、食品の血糖値上昇効果の評価に有効であると認めた。d) ハロゲンランプと分 光フィルターによる分光拡散反射イメージングシステムを構築し、波長500nmから1,100nmの測定によってもち米の胴割れを検知できる手法を開発し、携帯型のもち米胴割粒透視器を開発・実用化した。e) 高アミロース米からのダイレクトGel転換技術によって米ゲルを作製し、市販冷凍うどんよりコシが強い米うどんの製造に成功した。f) 走査型プローブ顕微鏡を用いて、モデルとしたシロイヌナズナの根端細胞 から個別の染色体を観察する方法を最適化し、カンチレバーの動きを制御して特定の染色体領域を効率的に切断する方法を見出した。また、ヌクレオチド-フルオレセイン誘導体C-FLU-Cが自己集合して蛍光性のナノ粒子を形成することを見出した。この粒子を培地に加えてCaco-2細胞を培養すると、7日程度で細胞核へ局在化することを見出し、分子構造やナノ粒子形成が局在化に関与しているものと推察した。
カテゴリ いちご オリーブ 加工 加工適性 かぶ 機能性成分 大豆 トマト なたね 評価法 品種 りんご

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