(イ)海洋生態系の把握と資源変動要因の解明

課題名 (イ)海洋生態系の把握と資源変動要因の解明
課題番号 2014025676
研究機関名 水産総合研究センター
研究分担 加藤修
岩﨑俊秀
木所英昭
山田陽巳
清水勇吾
岡村寛
髙須賀明典
黒田寛
青沼佳方
清田雅史
小埜恒夫
永澤亨
酒井光夫
福若雅章
米田道夫
坂西芳彦
養松郁子
船本鉄一郎
大関芳沖
成松庸二
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 (イ)環境変動が食物網構造に及ぼす影響を解析し、親潮域・混合域では、珪藻の大発生が顕著な春季の親潮域を除いて、ピコ・ナノプランクトンによる基礎生産が卓越することが明らかとなった。ピコ・ナノプランクトンからカタクチイワシ等魚類に至る食物網の重要構成要素の1 つである尾虫類の分布密度と水温との間に正の相関が認められた。生態系モデルの開発にあたり、低次生産データを取り込むとともに、空間構造を考慮した生態系モデルの拡張を検討した。親潮前線等のデータベース化が進み、親潮の季節変動が近年不明瞭になっていることが明らかとなった。日本海における資源量変動を分析し、1990 年代末におけるブリ、サワラ等の大型魚の急増には、大気と海洋が密接に連動したエルニーニョ南方振動(ENSO)が対応していることを示した。親潮域、黒潮域及び東シナ海における低次生態系モニタリングを継続した。温暖化を考慮したサケの最適放流尾数の算出、温暖化により増加傾向にある貧酸素水塊を回避できるイサザ人工産卵床造成技術など、温暖化研究に関するこれまでの成果を取り纏めた。卵~後期仔魚期のスケトウダラの噴火湾内における分布と水温、アカイカの稚仔分布とクロロフィル濃度など、重要資源の生物特性と環境との関係について解析を進めた。ホッコクアカエビでは、年級群豊度が性転換年齢に影響することで資源変動要因になる可能性を示した。ブリの漁獲量が急増した2010 年以降、東シナ海南部でブリ仔魚の分布密度が大きく上昇したことを把握した。マダラでは、再生産成功指数の高い年級ほど浮遊仔魚の日間成長率が大きく、若齢親魚が多い年に初期成長が劣ることを示した。漁況海況予報を30 件発信した。スルメイカ冬季発生系群で、分布情報と環境情報を用いた分布確率予測モデルを作成し、漁場別定量予測モデルの開発に着手した。瀬戸内海のカタクチイワシについて、複数のシラス漁獲量予測式を推定して精度比較を進めた。海況予測システムの検証実験を行い、改良を進めた。海面高度データから都井岬沖での黒潮流軸の離岸状況を重回帰式により予測し、その結果を基に黒潮流軸位置を予測した。主要魚種・海域の漁海況予報のプレスリリース、ホームページでの公開や、各種の会議で今後の操業に直結する資源状態、来遊資源予測、漁期前情報等を漁業者に直接説明したことにより、漁業者による水産資源の合理的な利用、操業の効率化、資源の持続的利用に貢献した。本研究課題の成果は、海洋の生産力を最大限に活用して水産資源を有効に活用し、生態系を維持することにも繋がると期待される。
カテゴリ 管理技術 季節変動 データベース モニタリング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる