課題名 | (エ)太平洋クロマグロを中心としたかつお・まぐろ類の資源管理技術の開発 |
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課題番号 | 2014025678 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
小倉未基 上原崇敬 大島達樹 小河道生 横田耕介 竹内幸夫 岡本浩明 大下誠二 佐藤圭介 阿部寧 森永健司 魚崎浩司 清藤秀理 伊藤智幸 松本隆之 鈴木伸明 甲斐幹彦 森岡泰三 境磨 余川浩太郎 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | (エ)大西洋まぐろ類保存国際委員会、中西部太平洋まぐろ類委員会、全米熱帯まぐろ類委員会、みなみまぐろ保存委員会、北太平洋まぐろ類国際科学委員会等の活動に対応し、太平洋クロマグロ、大西洋クロマグロ、ミナミマグロ等を対象に収集したデータに最適になるように改良したモデルを資源解析・評価へ本格的に適用し、その結果を検証した。太平洋クロマグロ及び大西洋クロマグロ東西系群の資源評価作業に参画し、漁獲可能量の改訂に寄与した。資源評価モデルの成長式に、耳石日輪、年輪データ及び標識放流採捕データを導入して改良した。太平洋クロマグロの仔稚魚調査で得られた仔魚の日齢査定結果及び海況予測モデルを用いた粒子実験から、南西諸島周辺及び日本海の主産卵場の位置を推定するとともに、系時的推移を解明した。カツオの移動来遊過程把握のため、低水温への遊泳嗜好性に加え、基礎生産量の高い海域への遊泳嗜好性を考慮した移動モデルを開発した。耳石輪紋解析により、日本周辺に来遊するカツオの群の3 割が亜熱帯、7 割が熱帯起源であることが示唆された。西日本沿岸域への来遊は、水温で多くの説明が可能であり、東北沖等への来遊には基礎生産の影響が大きいことが明らかになった。漁場探索技術開発のため、遠洋まぐろはえ縄漁業の過去の漁海況をデータベース化し、好適生息域モデルによる漁場予測を行った。かつお一本釣り漁業では、海鳥情報と衛星情報等を活用した漁場探索技術開発を進め、南下期のカツオ漁場で利用できる可能性を示した。漁具漁法等の改善に関し、遠洋まぐろはえ縄ではタヒチ南東水域で超深縄の方が通常深縄よりメバチの単位努力量当たりの漁獲量が多いという結果を得た。遠洋かつお一本釣り漁業において、フィッシュポンプによる活餌積込時の溶存酸素濃度の低下を防ぐため、予め酸素ナノバブルで酸素濃度を高める対処方法を示した。海外まき網漁業では、小型まぐろ類混獲削減に大目網が有効であること、イルカ型ソナーで魚種判別できる可能性があることを示した。省エネのための凍結技術や燃油節減に関して、自然冷媒で対応可能な温度帯で凍結し、品質維持と割れ防止が可能であることが示唆された。近海かつお一本釣り漁業で、船体の小型化により、燃油消費量を約3 割削減できる可能性を示した。太平洋クロマグロを中心としたかつお・まぐろ類の資源管理技術の開発について、科学調査や実証試験を継続するとともに、多数の国際会議に対応し、行政ニーズに大きく貢献した。また、大西洋まぐろ類保存国際委員会では大西洋クロマグロ資源の回復を確認させ、漁獲可能量の増枠につなげるなど、本研究課題の成果は、国際社会や漁業現場にも大きく貢献した。 |
カテゴリ | 亜熱帯 管理技術 省エネ・低コスト化 データベース |