課題名 | (イ)省エネルギー・省コスト技術の活用による効率的な漁業生産システムの開発 |
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課題番号 | 2014025690 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
上野康弘 松田秋彦 寺田大介 溝口弘泰 長谷川勝男 升也利一 藤田薫 髙橋秀行 澤田浩一 木村拓人 山下秀幸 赤松友成 多賀悠子 山﨑慎太郎 上野康弘 東照雄 髙山剛 高橋晃介 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | (イ)漁場探索から漁獲、水揚げに至る各段階において、安全性確保、省エネ、省コスト、省人、省力及び軽労化を図るとともに、資源への影響や環境負荷を低減できる漁業生産システムを改良・開発するため、以下の研究を行った。漁船の復原性(横揺)を計算により推定する手法を開発し、漁船がどの程度の波浪によりどの程度横揺れするかを推定することを可能にした。この手法により、まき網漁船、底びき網漁船等の主要漁船の安全性向上技術を体系的に整理できることを示した。航行時及びひき網時の燃料消費状態を分析することにより、底びき網漁業操業支援ツールとしての燃料消費見える化装置の有効性を確認した。また、船体動揺と燃料消費見える化装置を組み合わせ、省エネ運航・操業を支援するシステムを試作した。かつお一本釣漁船について、運用面の各種パラメータ(排水量、船体姿勢、速力等)を用いて、省エネ型の漁船の基本設計を行うための手法を構築した。小型底びき網模型を用いた水槽ひき網試験から、減速等の諸要素が漁具形状・抵抗・燃油消費量削減にもたらす変化を定量的に把握した。底びき網漁業における労働を分析・類型化し、漁獲物の選別作業の負担が大きく、改善が必要であることを示した。音響調査について、広帯域音響手法を改善し、カツオとまぐろ類幼魚の魚種識別技術を高度化するとともに、マアジ等の体長推定法を構築した。水槽を用いてスルメイカの行動実験を行い、光によってイカの行動を制御できることを検証した。LED 灯の船上配置を実測と照明シミュレーションに基づいて変更し、漁獲効率が従来灯(メタルハライドランプ)と同等となるまで改善した。また、民間漁船との比較から、光量も重要であることを明らかにした。まき網操業を改良シミュレーションモデルで可視化する技術を改良して操業中の網の形状変化を3 次元的に再現し、流れ等に対する網の挙動を検討して操業方法の改善点を整理した。漁船の安全性向上に関する成果は、国際海事機関における安全基準の策定に貢献し、燃料消費可視化装置がかつお一本釣り漁船に導入された。本研究課題の成果は、安全な漁船の設計及び運行、小型底びき網漁業の省エネと軽労化、魚群探知機による魚種識別など、直接漁業現場に導入・活用されることが期待される。 |
カテゴリ | 軽労化 コスト 省エネ・低コスト化 |