課題名 | (イ)ゲノム情報を活用した研究開発の高度化 |
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課題番号 | 2014025693 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
乙竹充 桑田晃 藤原篤志 長井敏 斉藤憲治 長井敏 中村洋路 乙竹充 坂見知子 及川寛 河東康彦 平井惇也 馬久地みゆき 坂本節子 |
協力分担関係 |
国立遺伝学研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | (イ)クロマグロ、マダラ等の遺伝子発現プロファイルを作製した結果、クロマグロの普通筋はマダラに比べて解糖系の遺伝子を高度に発現させていることを明らかにした。ニホンウナギのゲノムDNA 塩基配列分析から、マイクロサテライトDNA 等の多型マーカー候補を開発するとともに染色体解析を行った。タイラギ2種についてゲノム解読を行った。半数体を利用した効率的なゲノム解読技術を開発してブリのゲノムを解読するなど、水産重要種のゲノム解析の効率化や高精度化に資する技術開発を進展させた。さらに、マイワシ、大西洋クロマグロ、サワラ等から把握した集団の遺伝子多型パターンを基に、繁殖生態と個体群動態の特性を推定するとともに、実データに適合する個体群動態モデルを推定した。このほか、マガキのグリコーゲン蓄積に関わる候補遺伝子の絞り込み、遺伝子情報を活用したヒラメラブドウィルス病のワクチン開発、貝毒プランクトンのDNA マーカーの開発等を行った。海洋微生物等のメタゲノム解析手法(環境中の微生物群集を培養に依存することなく網羅的に解析する技術)の開発では、複数の海域から採集した計174 サンプルのDNAデータを収集した。有害赤潮生物であるシャットネラや麻痺性貝毒原因種であるアレキサンドリウム・タマランセの大量発生のマーカープランクトンを3 種類抽出するとともに、殺藻細菌の殺藻機能に関与する遺伝子候補を提示した。さらに、メタゲノム解析手法の生態系多様性評価への適用、沖縄県石西礁湖周辺海域の陸源負荷の影響評価への導入等を行い、漁場環境や生態系評価におけるメタゲノム解析技術の利用可能性を拡大した。クロマグロ及びニホンウナギに加え、ブリ、マダラ、タイラガイ、マガキなど、年度計画以上に研究対象を拡大し、遺伝子機能の理解を進めるとともに、水産資源や増養殖分野への活用を目指した研究が大きく進んだ。また、メタゲノム解析手法の開発では、計画していた赤潮や魚病予測に止まらず、生態系の多様性評価や沿岸域の汚染源推定等に利用分野を拡大した。本研究課題の成果は、クロマグロ、ニホンウナギ等の安定的な種苗生産、育種(優良系統の作出)、漁場環境管理等の養殖技術や沿岸漁場環境の評価技術等の高度化への貢献が期待される。 |
カテゴリ | 育種 DNAマーカー 繁殖性改善 評価法 ぶどう モニタリング |