課題名 | (エ)その他の基礎的・基盤的な研究開発並びに他分野技術の水産業への応用 |
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課題番号 | 2014025695 |
研究機関名 |
水産総合研究センター |
研究分担 |
渡邊朝生 藤本賢 八木宏 栗田豊 山本祥一郎 栗田潤 澤田浩一 神山孝史 奥村裕 筧茂穂 宮田勉 高見秀輝 持田和彦 黒川忠英 堀井豊充 長谷川大介 鴨志田正晃 町口裕二 村田裕子 玉置泰司 |
協力分担関係 |
福島県内水面水産試験場 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | (エ)東日本大震災後の水産業の復興に係わる各種の事業・プロジェクトを推進し、水産資源や漁場環境への影響とその変化を把握した。マガキ養殖海域の環境収容力の推定と収容力低下の要因把握、福島県松川浦における魚類生産力向上へのアマモ場の藻刈り効果の実証、気仙沼湾における底生生物を用いた海底浄化の実証など、被災地の漁場環境の改善や生産力の向上に寄与する技術開発と実証試験を行った。また、常磐海域の底びき網漁業を対象に、操業自粛の影響を評価する数値モデルを開発し、重要魚種を選んで評価を試行した。さらに、水産業の復興を加速するため、岩手県を対象として、沖合・沿岸海洋観測及び観測情報の発信体制構築と情報提供を行った。サケの種卵不足への対応のため市場に水揚げされたサケからの直接採卵の有効性を示した。さらに、異体類の種苗生産における成長促進への緑色LED 光の照射の有効性の実証、ブランド化のためのサンマの脂肪量測定装置の商品化、サバの加工残滓からのアンチエイジング成分セレノネイン抽出・素材化技術の開発等を行った。また、宮城県を対象とし、ギンザケ養殖において、低コスト餌料の開発・評価、高成長系統の作出における選抜効果の確認、ビブリオ病流行株の特定と対策の検討、赤血球封入体症候群の感染履歴検査法の開発とワクチン用抗原の探索を進めた。マガキ養殖では、干出、高塩分条件での蓄養、むき身凍結等の高品質化の条件の探索を行い、うま味向上に有効であることを確認するなど、ブランド化(一粒カキ)に重要な知見を得た。東京電力福島第一原子力発電所事故への対応として、福島県及び周辺海域並びに内水面の資源生物と漁場環境の放射性物質濃度のモニタリングを継続し、放射性物質の時空間分布を明らかにするとともに、海洋生態系内での移行過程を解析した。また、マダラ及びヒラメを対象に、汚染魚の出現と移動生態との関係を解明した。気象擾乱と底質の粒径が底質の放射性セシウムの挙動に影響することを明らかにするとともに、底質の放射性セシウムの分布とその変化を精度よく再現する底質・水柱結合モデルを開発した。内水面の汚染状況は、水域の水の交換速度が濃度水準に影響するとともに、今後の予測に重要であることを観測により把握した。副次的効果として、魚体のストロンチウム90 濃度の測定に有用なスクリーニング技術として、耳石のβ線の測定が利用可能であることを明らかにした。東日本大震災からの早期復興に係わる各種の事業・プロジェクトを推進し、震災復興に寄与すると期待される各種技術開発と実証試験を実施した。さらに「水産総合研究センターによる東日本大震災復興支援活動三年間の記録(平成23 年3 月11 日~平成26 年3 月31 日)」の発行など、年度計画にはないアウトリーチ活動を積極的に行った。本研究課題の成果を積極的に発信し、成果の利活用を図ることにより、被災地の復興及び放射能に関する風評被害の軽減等に寄与することが期待される。 |
カテゴリ | 加工 低コスト 風評 モニタリング |