課題名 | プリオンの異常化機構の解明とBSE等のプリオン病の清浄化技術の開発 |
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課題番号 | 2014025579 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
村山裕一 |
協力分担関係 |
医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センター 国立感染症研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | プリオン病研究に関しては、 a) L型非定型BSE感染牛由来の異常プリオンタンパク質の試験管内超感度増幅法(PMCA法)の増幅条件を確立した。 b) リコンビナントプリオンタンパク質のアミロイド線維形成を指標とし、非定型BSEプリオンを1~3時間で検出できる条件を確立した。 c) L型非定型BSE感染サル由来の異常プリオンタンパク質のPMCA増幅条件を確立し、脳内接種後、発症前の体液類から異常プリオンタンパク質が検出されることを明らかにした。 d) L型非定型BSEプリオンの経口感染牛において、接種後78及び85か月後に各組織における異常プリオンタンパク質の分布をウエスタンブロット法及び免疫組織化学染色法で調べたところ、感染の成立は確認されなかった。 e) L型非定型BSEプリオンは、脳内接種でヒツジへ伝達され、またヒツジに馴化したL型BSEプリオンはマウスへの伝達能を獲得することを明らかにした。 f) H型非定型BSEプリオンを牛型プリオンタンパク質過発現マウスで継代することにより、元のH型BSEプリオンとは異なるプリオン(Sh/H-BSE)が出現することを見出した。 g) 従来型BSEプリオンをウシ型プリオンタンパク質発現マウスに経口投与すると、脾臓に異常プリオンタンパク質が蓄積したが、L型及びH型非定型BSEでは蓄積しないことを明らかにした。 h) ヒツジプリオンタンパク質過発現マウスを用いて非定型スクレイピーの感染性を、またシカプリオン遺伝子ノックインマウスを用いて北米に見られるシカの消耗性疾患CWDの感染性を検出した。 i) スクレイピーの多様性(感染性・プリオンの性状等)の解析のため、ヒツジプリオンタンパク質を遺伝子導入により発現させた細胞株を樹立した。 j) 昆虫細胞由来組換え型プリオンタンパク質を用いたiPMCAで、自発性のプロテアーゼ抵抗性のプリオンタンパク質を生成した。 k) ウシ型プリオンタンパク質過剰発現マウスを用いた高感度バイオアッセイにより、L型非定型BSEに感染したウシ脳乳剤の感染価を明らかにした。 l) オートクレーブ処理によるL型非定型BSEプリオンの不活化をPMCA法により検証し、130℃以下の処理では異常プリオンタンパク質が残存することを示した。 |
カテゴリ | シカ 抵抗性 羊 防除 |