課題名 | アルボウイルス感染症等の亜熱帯地域に多発する疾病の防除法の開発 |
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課題番号 | 2014025586 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
鮫島俊哉 |
協力分担関係 |
化学及血清療法研究所 鹿児島大学共同獣医学部 鹿児島県 沖縄県 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2014 |
摘要 | 亜熱帯地域に多発する疾病研究に関しては、 a) アルボウイルス感染症の遺伝子診断法・分子病理学的診断法の確立については、国内で分離された牛出血病ウイルス(EHDV)について、中和抗原VP2タンパク質について参照株との相同性比較及び参照株抗血清による中和試験を実施した結果、既知の血清型2(イバラキウイルス)及び7に加えて、既報の血清型と異なる2つの血清型が含まれることを明らかにした。 b) 抗アカバネウイルス(AKAV)モノクローナル抗体を用いた免疫組織化学的診断法とAKAV(genogroup I)に対するプローブを用いたin situハイブリダイゼーション法を組み合わせることにより、genogroup I、genogroup IIに感染したアカバネ病を病理組織学的に識別することを可能とした。 c) 平成24年国内で分離された牛流行熱ウイルスの遺伝子解析結果に基づいた新規RT-PCR法の開発により、既法では問題になっていた他のアルボウイルスに対する非特異的増幅を解消し、高感度かつ特異的な診断を可能とした。 d) 媒介節足動物のウイルス媒介能の評価については、経口接種によりウシヌカカ及びシガヌカカにAKAVを実験感染させ、免疫組織化学的にヌカカ組織内のウイルス抗原を検出したところ、主たる媒介種とされるウシヌカカでは接種後5日目の唾液腺においてもウイルス抗原が検出され、虫体内でのAKAVの感染動態の一端を明らかにした。 e) 平成26年7~11月に鹿児島市内の牛舎で採集したヌカカからはアルボウイルスは検出されなかった。また平成26年10月に奄美大島(鹿児島県)の6か所の牛舎のヌカカについて種相と吸血の有無を調べたところ、Culicoides属ヌカカ14種が分離され、オクマヌカカが優占種であり、吸血率も高いことを明らかにした。 f) AKAVを混和した牛脱線血をヌカカに吸血させ、約10日間飼育後、6種からRT-PCR法によりウイルス遺伝子を検出し、その1個体、あたりの感染力価は種によって異なり、AKAVの主たる媒介種とされるウシヌカカでは感染力価が高い傾向にあることを示した。 |
カテゴリ | 亜熱帯 乳牛 防除 |