② バイオインフォマティクス研究による農業生物ゲノム情報の高度化

課題名 ② バイオインフォマティクス研究による農業生物ゲノム情報の高度化
課題番号 2014025632
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 伊藤 剛
田中 剛
坂井 寛章
沼 寿隆
川原 善浩
山本 公子
安河内 祐二
上樂 明也
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 1. イネゲノム情報を活用するための基盤データベースを運用し、1か月あたり20万ページ以上の閲覧があった。登録されたイネの遺伝子情報を精査し校正して入力するためのウェブ支援システムが完成し、効率よくアノテーション情報を編集できるようになった。今年度は新たに160遺伝子の校正と高度化を行い、データベースを更新した。
2. 農畜産物ゲノム情報データベース(AgrID)を生物研から公開した。この中で大量配列解析のウェブサービスGalaxy/NIASを公開、運用し、半年で1,000件以上の利用があった。作物等のゲノムアノテーションのためのウェブサービスMEGANTEを運用し、新規にミカン科4種の追加を行って合計28種に対応した。1年間の登録ユーザ数は319名、アノテーションした配列数は3,015であった。これらのサービスは幅広く利用され、ゲノム研究の推進に貢献した。
3. 北海道から九州までの日本各地で栽培されているコシヒカリ系7品種の全ゲノム配列を解読し、配列比較解析によって品種間のゲノム構造の違いを明らかにした。その結果、早生品種の出穂期関連遺伝子領域に、コシヒカリ以外の品種由来のゲノム配列や変異が多く見つかり、これらが地域適応性の一部に関連していることが明らかになった。
4. アズキのゲノム解読高精度化のため、ゲノム全長の51倍相当の配列を次世代シーケンサー(PacBio)で取得し、新規アセンブルを行った。全ゲノム(5.4億塩基)の97%に相当する配列を高い精度で決定できた。加えて近縁野生種Vigna stipulaceaの解読も終了した。このゲノム情報を閲覧するデータベース(VigGS)を構築し、多型情報表示やプライマー設計機能等の開発を行った。
5. チョウ目昆虫のうち農業上重要な害虫を中心とした14種について、幼虫の中腸由来のRNA-seqデータを新規に取得し、約3万の中腸発現遺伝子配列をそれぞれ生成した。各種のABCC2遺伝子についてアミノ酸配列の比較を行った結果、Cry1A毒素の結合候補領域として考えられている膜貫通ドメイン間の細胞外ループにおけるアミノ酸配列の差異が、他の細胞外ループよりも大きいことがわかった。これらの領域における配列の差異がCry1A毒素に対する反応の違いに影響する可能性がある。
6. 新規のCry毒素受容体を発見する目的で、Cry1C毒素に対する反応性が異なるヨトウガ類由来の培養細胞系統について、遺伝子発現量の比較解析を行った。各感受性系統において、あらゆる抵抗性系統に対して発現上昇する中腸発現の膜タンパク質を探索した結果、すべての感受性系統に共通する5遺伝子を同定できた。
7. アザミウマ類、アブラムシ類、ハダニ類の重要微小害虫における薬剤抵抗性の原因遺伝子解明及び抵抗性診断技術開発のため、RNA-seq解析を行った。
カテゴリ あずき 害虫 診断技術 データベース 抵抗性 微小害虫 品種 薬剤

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