⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明

課題名 ⑥ 動物の生体防御に関わる分子機構の解明
課題番号 2014025645
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 木谷 裕
竹澤 俊明
竹之内 敬人
佐藤 充
新開 浩樹
研究期間 2011-2015
年度 2014
摘要 1.組織特異的マクロファージは異物認識や免疫応答の誘導など重要な生体防御機能を担う細胞として注目されている。これまでに肝臓や腎臓の混合培養系を用いて組織特異的マクロファージを簡易に繰り返して回収する新しい方法を開発した。本年度は子ブタの腎臓上皮系細胞を支持細胞にしてブタの末梢血由来マクロファージを増殖させ、約2か月にわたりマクロファージを高純度で繰り返して回収する手法を開発した。本手法を用いることで、ブタ個体を犠牲にすることなくマクロファージを簡便に取得でき、抗病性に関連する遺伝子の多型とその機能を解析するための有用な研究ツールとなる。
2.細菌のペプチドグリカン構成成分を認識し、全身の免疫応答の制御に関わっていることが知られているNOD1について、ブタの商用品種等で9箇所のアミノ酸置換を伴う多型を検出した。これらのうち、分子後半のロイシンリッチリピート内に存在する多型2箇所(G641E、D918N)が一般的な遺伝型のNOD1と比較して有意にリガンド認識能を低下させることを明らかにした。抗病性に関わる受容体遺伝子の多型とその機能が明らかになることで、抗病性に優れたブタの品種改良やより効率的なワクチン開発へつながると期待される。
3.動物生体防御研究ユニットが新機能素材研究開発ユニットとの共同で作製した抗WASPアフィニティー・シルクフィルムを用いたELISAプレートについて、抗原検出性能を評価した。アフィニティー・シルクフィルムでは標的タンパク質WASPを特異的に認識した一方で、対照群での非特異的吸着は低いレベルであった。フィルム状に加工した場合でも、抗体活性は室温で長期間にわたり保持され、アフィニティー・シルクフィルムを利用して疾患マーカーや病原体などの検査用キットの開発が期待される。
4.コラーゲンビトリゲル膜チャンバー内に作製したヒト角膜上皮モデルを用いて、眼刺激性試験法及び角膜透過性試験法を開発している。眼刺激性試験法については、国内3施設において2回のバリデーション試験(PhaseⅠ, Ⅱ)を実施した結果、試験法の施設内及び施設間再現性が良好であることが確認できた。角膜透過性試験法については、ヒト角膜上皮モデルの上側から化学物質を滴下した後に下側への透過量を経時的に測定する基盤技術を開発して、動物の角膜と同様に化学物質の分子量に応じた透過係数が得られることを確認した。
カテゴリ 加工 品種 品種改良

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