ゲノム選抜育種による出穂期改良品種開発の加速

課題名 ゲノム選抜育種による出穂期改良品種開発の加速
研究機関名 宮城県古川農業試験場
研究分担 作物育種部
研究期間 継H25~29
年度 2014
摘要 <目的>、 宮城県においては,県内の水稲作付け面積の約8割を中生品種の「ひとめぼれ」が占めているが,近年,気候変動による高温の影響で白未熟粒の発生が増加し,玄米品質の低下が大きな問題となっている。特に県南部では品質低下が顕著であり,登熟期間の高温を避け玄米品質の向上を図るため,晩生の高温登熟耐性に優れる品種が要望されている。、 今回,当場育成の中生で高温登熟耐性に優れた極良食味系統「東北206号」に, DNAマーカー選抜育種技術を用いて,宮城県で晩生にあたる「コシヒカリ」の出穂関連遺伝子(HD1,HD18)を導入することで,「東北206号」の出穂期を7~10日程度遅らせた晩生の高温登熟耐性に優れる品種を育成する。、<成果>、 BC1F1(東北206号/コシヒカリ//東北206号)選抜個体と「東北206号」の戻し交配(春)5/7~14にかけてBC1F1選抜個体を母本,東北206号を父本として戻し交配を行い,各出穂期遺伝子の組合せごとに,Hd1+Hd16:587粒,Hd1+Hd18:548粒,Hd1+Hd16+Hd18:689粒のBC2F1種子を得た。、 BC1F2世代及びコシヒカリNILの出穂期調査と使用する出穂期遺伝子の決定(夏)BC1F2世代の447個体について,生物研で実施したHd1,Hd16,Hd18の遺伝子型調査結果に基づき,様々な出穂期遺伝子の組み合わせを持つ367個体を選抜した。これらを圃場で栽培し出穂期を調査した結果,Hd1とHd16がコシヒカリ型個体は8月19日,Hd1とHd18がコシヒカリ型個体は8月25日,Hd1,Hd16,Hd18の全てがコシヒカリ型個体は8月14日に出穂した。東北206号の出穂期は8月3日,コシヒカリの出穂期は8月14日であったため,東北206号を7から10日程度晩生化するには,Hd1,Hd16,Hd18の全てをコシヒカリ型で導入するのが望ましいと推定された。、 BC2F1(東北206号/コシヒカリ//東北206号*2)世代の出穂期遺伝子型調査及びSNP解析による選抜、 上記2)の調査結果を受けて,BC2F1世代の689個体から生物研においてDNAマーカーを用いて実施した出穂期遺伝子型調査の結果に基づきHd1,Hd16,Hd18の全てをヘテロ型に持つ60個体を選抜した。これらの60個体について生物研においてSNPジェノタイピングを行い,出穂期遺伝子近傍以外の遺伝背景が東北206号型に大きく置換した個体(東北206号との多型16/768個:2.1%)を選抜した。選抜個体について12月上旬に1/5000aワグネルポットに移植し,自殖種子(BC2F2世代)を得た。、
カテゴリ 育種 SNP解析 水稲 DNAマーカー 品種 品種開発 良食味

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