課題名 |
6 生物多様性を活用した安定的農業生産、技術の開発 |
研究機関名 |
石川県農林総合研究センター農業試験場
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研究分担 |
生物資源G
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研究期間 |
継H25~29 |
年度 |
2014 |
摘要 |
目的:多雪地平野景観中部日本に分類される北陸地域の代表として石川県を対象に、水田生態系を代表する鳥類種を選定し、代表種となる鳥類の餌生物である魚類・両生類、昆虫・クモ類、植物等に及ぼす農法の影響を調査・解析し、代表種の生息条件に及ぼす農法の影響を解明する。石川農試では、鳥類の餌植物の状態を指標する昆虫類等を選抜し、代表種となる鳥類との関係を解析・解明する。これらのことを通じて、生物多様性保全評価手法の構築およびマニュアル作成に寄与する。本年度は、環境保全型農法と慣行農法の水田において、昆虫・クモ類等の調査を行い、適切な調査手法について検討する。、成果:アカネ属のヤゴ類は、アキアカネ、ノシメトンボが優占であった。すくい取り法では、いずれの地区においても農法間で有意な差異は見られなかったが、見取り法では小松矢田地区の有機圃場で有意に多く確認された。水生コウチュウ類は、調査全体を通してガムシ科ではヒメガムシ、キイロヒラタガムシ、ゴマフガムシ、ヤマトゴマフガムシ等が確認された。ゲンゴロウ科では、コウベツブゲンゴロウ、ゲンゴロウ科の幼虫が確認されたが、捕獲数はそれぞれ1~3頭と少なかった。ガムシ科、ゲンゴロウ科の合計では、小松矢田地区の有機圃場および中能登地区の有機圃場で有意に多く確認された。水生カメムシ類では、アメンボ科、ミズムシ科、マツモムシ科等が確認され、各地区の有機圃場で捕獲頭数が多くなる傾向が見られたが、いずれの地区でも有意な差異は見られなかった。クモ類ではアシナガグモ類やコモリグモ類、ハエトリグモ類などが確認され、8月の調査において、小松市矢田地区の有機圃場で有意に多く確認された。以上より、小松市矢田地区では複数の指標種が有機圃場で有意に多く確認されたが、その他の地区では複数種で有意な差異が見られる地区は無かった。この要因については、慣行圃場で使用している殺虫剤の系統や散布回数が影響していると推察される。
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カテゴリ |
カメムシ
ごま
水田
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