収量の高位安定化を可能にする暖地向け作期拡大ソバ品種の開発

課題名 収量の高位安定化を可能にする暖地向け作期拡大ソバ品種の開発
課題番号 2014026889
研究機関名 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
(独)農業・食品産業技術総合研究機構
研究期間 2014-2018
年度 2014
摘要 (1)「九州7号」の環境適応性解明
 1) 「九州7号」の栽培特性の年次変異解析
九州7号の穂発芽は、九州の春まきに適する既存品種に比べて少なかった。また、成熟期は春のいぶきより早く、階上早生よりやや早いが、「キタワセソバ」より遅かった。さらに、「九州7号」の収量は、「しなの夏そば」より高く、「キタワセソバ」、「春のいぶき」よりやや高かった。 
 2) 系統適応性検定
熊本県合志市の農家圃場において、「九州7号」の収量は243kg/10aで、比較品種の「春のいぶき」224kg/10aよりやや多く、成熟期は2日程度早かった。
(2)「さちいずみ」の栽培可能時期の解析
 1)「さちいずみ」の作期移動試験
8月は下旬近くまで降雨の日が続き、気温も例年に比べて低かったが、下旬から天候が回復し、調査した系統すべて、収量が極端に低くなることはなかった。また11月の気温が例年に比べ高かったためか、9月中旬に播種した晩生の鹿屋在来も100kg/10aの収量があった。「さちいずみ」は9月上旬に播種した区が一番多収となった。
 2)現地実証試験
大分県豊後高田市では通常8月中旬から9月下旬にかけて播種を行うが、本年は降雨が続いたため、播種が遅れ、多くの地区が9月中旬播きとなった。鍋倉ファームにおいては、9月上旬に1度播いたが、湿害のため発芽不良となり、再度中旬に播き直した。その結果収量は低いものの、収穫までできた。これは、「さちいずみ」の栽培期間が短いため可能となった結果であると考えられる。
(3)生態型選抜マーカーを用いた有望系統選抜
 1)生態型の遺伝様式解明
主茎の成熟日は大きなピーク1つとなったが、個体全体の成熟期は7月下旬までに成熟期を迎えるものと梅雨明け後に植物体が枯れて成熟期を迎えた状態になる大きく2つに分けられた。その他、開花初め日と個体成熟期には相関関係はなく、個体成熟期と草丈も相関が見られなかった。夏型・秋型品種の識別は熊本県合志地域では個体成熟期が7月下旬までに迎えることができるかできないかで判定するのがいいと考えられた。
 2)DNAマーカーの有効性調査
GIの遺伝子型は開花初め日と関係していることが推測されたが、成熟期とは関係性が見られなかった。このことから、開花と成熟では関係する遺伝子が異なることが考えられた。
カテゴリ 湿害 そば DNAマーカー 播種 発芽不良 品種

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