冬春播き栽培におけるタマネギの生産安定化技術の開発と経済性の評価

課題名 冬春播き栽培におけるタマネギの生産安定化技術の開発と経済性の評価
課題番号 2014026895
研究機関名 (独)農業・食品産業技術総合研究機構
青森県産業技術センター
JA全農あおもり
研究期間 2014-2018
年度 2014
摘要 1 青森県のヤマセ地帯に適するタマネギ品種や播種期(定植期)について透明マルチ栽培で検討した。育苗は200穴セルトレイを使用し最低温度12℃の温室で管理したが、過湿により根腐れとなって小さい苗となった。2月中旬播種は4月中旬定植したが、直後に降霜による凍害を受け、さらに6月上旬までほとんど降雨がなかったために生育は遅延した。その中で、もみじ3号の生育は良好で、7月下旬には収穫可能であることが明らかとなった。2月下旬播種では多くの品種について比較した。収穫期は、もみじ3号やネオアース、オホーツク222などが7月下旬に、北もみじ2000やスーパー北もみじなどが8月上旬に、カロエワンやポールスター、ホクトボールなどが8月中下旬となったが、収量ではカロエワンやホクトボールなどが多収であった。3月上旬以降の播種期ではりん茎の肥大が劣り、青森県には不適な作型と判断した。

2 青森県のヤマセ地帯である野菜研究所内でタマネギに発生する病害虫の種類や生態などを品種ごとに調査し、さらに適切な防除によるりん茎腐敗防止を目的に試験した。ネギとニンニクが隣接する圃場で、6月上旬からボトリチス病害が発生し、6月下旬からは葉枯病やべと病も発生した。茎葉に発生する病害で重点的に防除すべきものはボトリチス病害とべと病と考えられた。土壌病害は紅色根腐病による根の紅変腐敗が著しく、一部では黒腐菌核病も確認された。虫害では、5月20日頃と7月中旬の2回ネギハモグリバエの発生を確認した。ネギコガやアザミウマ類の発生は少なかった。りん茎では、灰色腐敗病や黒かび病、アザミウマ類による被害がみられた。特に、品種によって腐敗が大きく異なり、りん茎が最も小さいネオアースと肥大が良好なもみじ3号で腐敗は少なく、カロエワンや札幌黄などで腐敗が多かった。周辺にニンニクが栽培されていたことからタマネギ萎縮ウイルス等の発生が懸念され調査したが、感染は確認されなかった。タマネギで使用される代表的な殺菌剤3種を用いて防除試験を行ったところ、ジマンダイセン水和剤散布区で黒かび病が多くなった。ボトリテチス病に効果が高いセイビアーフロアブル20で腐敗が少なく、有効性が示された。

3 現地試験として東津軽郡蓬田村で栽培し、生育と病害虫を調査した。除草が上手くいかなかったために生育が遅れて低収となったが、晩生種ほど収量は多くなる傾向があった。奥羽山脈の北に位置するためヤマセの影響を受け、病害虫の発生は野菜研究所の状況と類似していた。
カテゴリ 病害虫 育苗 害虫 黒腐菌核病 栽培技術 除草 たまねぎ 凍害 にんにく ねぎ 根腐病 播種 品種 防除

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