課題名 | 「あきづき」、「王秋」の果肉障害発生機構の解明 |
---|---|
課題番号 | 2014026922 |
研究機関名 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究期間 | 2014-2018 |
年度 | 2014 |
摘要 | 根域制限樹を用い、潅水量を調節して6~7月に強ストレスを1~3回(各2~3日間)、または弱ストレス(1ヶ月間)を与えた。「あきづき」は9月下旬から10月上旬に果色(カラーチャート値・石川)3.5を目安に収穫し、また「王秋」は10月下旬から11月上旬に収穫した。コルク状果肉障害は両品種ともに水ストレス処理により発生がやや増加する傾向ではあったが、樹によるバラツキが大きかった。「あきづき」の対照区および弱ストレス区について、樹ごとの水ストレス処理期間中の蒸散速度とコルクの発生果率との関係に負の相関が認められた。また「王秋」についても、弱ストレス区1樹を除けば負の相関が認められたことから、長期間の水ストレスがコルクの発生を助長すると考えられた。強ストレス処理については、「王秋」の強ストレス2回および3回処理区では若干コルクが増加したが、1回処理区は対照区より少なく、強ストレスの回数がコルクの発生に大きな影響を及ぼしていなかった。昨年度は強ストレスによりコルクが増えたが、今年度は強ストレス処理の期間が2~3日間と短く、また1回目の処理を除き天候の悪い日も含まれたことから、コルクを引き起こす十分なストレス効果が得られなかった可能性もある。 「あきづき」2樹から満開2~3日前の4~5番花、満開日の2~3番花、4~5番花、6~8番花、満開1日後の4~5番花を選んで結実させた。9月中旬から10月上旬にかけて果色3.5を目安に収穫した。果実を収穫した日を比較すると、同じ4~5番花については満開3日前が満開日より早く、また同じ満開日では、2~3番花、4~5番花、6~8番花の順に早くなった。コルク状障害の発生程度は差が小さかったが、満開日の6~8番花からの果実で最も多く発生した。収穫が遅くなればコルク状障害が多くなることに、開花の早晩が関係していると考えられた。 「あきづき」および「王秋」(2010年春植栽)を用い、植調剤(フルメット、エテホン)を以下の時期に散布し、「あきづき」は9月上旬から10月上旬に果色3.5を目安に収穫し、「王秋」は10月中下旬に収穫した。「あきづき」では満開100日にエテホン100ppmを散布した区は収穫日が無散布区より平均で2週間早くなっており、エテホンの効果が見られた。この処理区でコルクの発生が最も少なかった。この処理区は果実が小さいため、コルクの発生程度には果実重の影響があったとも考えられた。満開65日後の25ppm散布は効果が見られなかった。「あきづき」のフルメット満開時散布区はコルクの発生が多かったが、満開10日後散布区は無散布区と同程度であった。満開10日後散布区は無散布区と比べ果実が大きくなっており、対照区と同程度の果実重の果実で比較すればコルクの発生が減少する可能性がある。 「王秋」においてもエテホン満開100日後散布区は無散布より収穫日が2日早く、コルクの発生も少なかったが、無散布と比べ果実重が小さくなっていた。 「あきづき」の新梢管理、「王秋」の摘果時期については対照区との差が明確では無かった。 |
カテゴリ | 果肉障害 カラー 日本なし 品種 |