「農匠ナビ」全体システム設計・実証および農作業連続計測・可視化・データマイニング基盤技術の研究開発

課題名 「農匠ナビ」全体システム設計・実証および農作業連続計測・可視化・データマイニング基盤技術の研究開発
課題番号 2014027536
研究機関名 (国)九州大学
国立大学法人九州大学
研究期間 2010-2014
年度 2014
摘要 本研究課題の目的は、第1に「農匠ナビ」全体システムの設計および実証、第2に農作業情報の連続計測・データベース化・可視化基盤技術の確立、第3にこれらのデータベースを活用した「匠の技」のデータマイニング基盤技術の確立である。本年度は、研究期間全体の成果を集大成して取りまとめ、営農可視化システムの現地実証および改良を行うと共に、農匠ナビ全体システムの活用方法の体系化を行った。これにより、以下の点を解明した。
(1)昨年度までに開発した営農可視化システムFVS PC-Viwerを用いて熟練者と初級者の作業速度および作業精度確認頻度に明確な差があることを、田植作業を事例に解明した。また、作業技術・技能に関する作業者間の定量的な比較分析がFVSによって可能であり、技術・技能伝承へ活用できることに十分期待できることも示された。
(2)技術・技能向上による作業能率向上が生産コスト低下に及ぼす影響をシミュレーション分析し、作業者の熟練度が高くなるほど規模拡大しによる固定費の低減効果が大きいことを解明した。作付面積150haの場合の生産コストにおける固定費を見てみると、50ha規模と比較して初心者シナリオでは89.7%(10.3ポイント低減)、実績シナリオでは77.2%(22.8ポイント低減)、熟練者シナリオでは74.6%(25.4ポイント低減)まで低減することが示された。
(3)農作業情報の精度向上のため、作業者が身体に装着した小型モーションセンサの計測データを認識処理することにより、農作業履歴を自動取得できることを解明した。また、乾燥・育苗施設や圃場などの生産環境にビーコン(発信機)を設置し、作業者が保持しているスマートフォンの位置を測定することにより、GPSなどの衛星測位システムによる作業者の位置測定を補完できることを示した。
(4)プロジェクト全体の研究成果の中から技術・技能伝承に直接関わる内容を取り上げ、『新農業時代の技術・技能伝承―ICTによる営農可視化と人材育成―』(農林統計出版、2015年1月)として出版し、研究成果の普及を図った。
(5)プロジェクト全体の研究成果の中から、ICTを活用して営農可視化と技術・技能伝承を具体的に進めるためのマニュアルを作成し、PDF形式にて、農匠ナビ公式WEBサイトで公表し、研究成果の普及を図った。
カテゴリ ICT 育苗 乾燥 規模拡大 コスト GPS 人材育成 データベース

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