課題名 | 多雪重粘土地帯における播種技術及び栽培管理技術の高度化による水田輪作システムの確立 |
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課題番号 | 2015027764 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
協力分担関係 |
各道・県公設試 三菱農機(株) 松山株式会社 秋田県立大 (株)新潟クボタ (株)マルエイファーム アグリテクノ矢崎(株) 小橋工業(株) (国)農業生物資源研究所 (国)農業環境技術研究所 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 畝立て播種等によるムギ、ダイズの安定多収栽培と水稲直播を組み合わせた2年3作体系に関しては、 a) 多目的田植機の施肥機構の空気搬送を利用して、催芽籾を条状に8条播種する播種機を試作し、長野県安曇野市の現地試験では苗立ち率が50~60%、粗収量は706kg/10aを達成した。しかし、苗立ちのバラツキが大きく、播種機をさらに改良することとした。 b) ムギあとダイズについて品種「シュウレイ」を用い、耕うん同時畝立て播種機を利用した平高畝狭畦栽培を実施することにより、 収量305kg/10aを達成した。 c) 新潟県長岡市の水稲あとオオムギ栽培に耕うん同時畝立て播種機の平高畝栽培を導入したところ、品種「ミノリムギ」で慣行散播 栽培の収量が123kg/10a(2等)であったのに対して、収量548kg/10a(1等)を記録し、本技術が現地に導入された。 d) 耕うん同時畝立て播種機の耕うん爪を、標準装備されている耕うん爪に比べ爪幅が薄く、切削幅(屈曲角)が小さい耕うん爪に換 えてを使用することで耕うん負荷が20%削減され、水稲あと事前耕うんしていない圃場で作業速度が1.2倍以上になることを明らかに した。 e) ディスク式中耕機を用いたダイズ高速畝立播種は、砕土率が70%前後のほぼ同じ条件の圃場においても出芽率が20%~90%と大き く異なり、この原因が種子の吸水の差によると判断されたため、播種前の事前処理条件の検討が重要であることを明らかにした。 f) 小型汎用コンバインでは、水稲、ムギは刈り高さ30cmで収穫を行うことで従来比1.3倍の高速化が可能となり、水稲、ムギ、ダイズの収穫損失も3%以下となることを明らかにした。また、同機は、豆仕様にてトウモロコシ子実収穫も可能で、リフター装着で頭部損 失も5%程度に低減することを認めた。 g) 後付け可能なGPS速度連動装置を開発し、市販のGPS信号受信装置におけるCAN経由の速度情報を利用することで速度への応答の精度向上と安定した播種作業が可能であることを示した。 h) 現地実証試験に基づいて地下水位制御システムを利用した水田輪作体系を確立するとともに、北陸地域の地下水位制御システムを 導入又は導入予定地域を対象とした地下水位制御システム利用マニュアルを公表した。 i) 開発技術の費用低減効果を生産費調査の平成20年北陸現状費用等と比較して検証したところ、水稲は平成20年生産費北陸現状平均 対比で約35%削減、オオムギは全国対比でみた場合平成21年対比で微増、ダイズは平成20年対比で4割強の削減率であることを明らか にした。 合理的な資材の投入に関しては、 北陸地域において、 a) イネ稲こうじ病の薬剤散布適期判定システムの地方自治体への導入を進め、薬剤の適期散布の現地実証を行い、本病の発生を効果 的に抑制できた。 b) 北陸地方ではしばしば苗立ち時のダイズ茎疫病の発生に伴って欠株が生じるが、水田転換畑では、ダイズの収量補償作用では欠株 による減収を補填できないことを確認した。 このほか、 a) 茨城県、新潟県長岡市、富山県新川地区で耕うん同時畝立て播種機の出前技術指導を行った結果、本技術が新たに導入され(茨城 県10数台、長岡市2台、新川地区8台)、湿害軽減による苗立ち安定に貢献し、収量が向上した。 |
カテゴリ | 稲こうじ病 狭畦栽培 栽培技術 GPS 湿害 水田 施肥 大豆 低コスト とうもろこし 播種 品種 薬剤 輪作 輪作体系 |