課題名 | 新技術の経営的評価と技術開発の方向及び課題の提示 |
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課題番号 | 2015027780 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究期間 | 2011-2015 |
年度 | 2015 |
摘要 | 農業技術の開発方向の提示に関しては、 a) 農村集落の悉皆調査や多様な作目や技術導入を想定した経営試算から、担い手経営による地域農業の維持と収益確保の実現に必要 となる技術体系や営農体系を地域ごとに明らかにした。 b) センサス個票を用いた地域の担い手農家の特定と規模拡大予測及び先端技術を導入した担い手農家の最適営農計画策定モデルを開 発し、これを用いて任意地域で、先端技術普及が食料安定供給に及ぼす効果の評価可能な食料供給予測モデルのプロタイプを開発した。茨城県筑西市を対象に評価し、担い手の農地集積と多収技術等の普及により、食料供給力は著しく増加する等を明らかにした。 水田作、畑作等に関わる先導的な生産技術体系の経営的評価に関しては、 a) 30~100ha規模の複数の先進的水田作経営を対象に、業務用多収品種、水稲乾田直播による水田輪作等の新技術導入の効果を評価し、平地純農村に位置する経営面積80haの営農組合では、水稲乾田直播、コムギ多肥栽培、ダイズ不耕起狭畦栽培により、米生産費は全国平均の50%まで削減され、コムギ-ダイズ2毛作では、水稲を上回る収益が確保されることを明らかにした。 b) 酪農及び肉用牛繁殖経営を対象に、搾乳ロボットや飼料生産の外部化、放牧技術等を導入した先進経営を分析し、肉用牛繁殖経営 では放牧方式により子牛生産コストや収益性が著しく異なり、青壮年の担い手確保には、周年親子放牧方式の普及定着が重要であること、周年親子放牧普及には、放牧用地団地化、1日2回の集畜と個体管理等の必要性を明らかにした。 c) 複数の大規模飼料作経営を対象に飼料収穫技術、飼料生産コスト等を分析し、立地条件(水田、畑)、飼料作物(トウモロコシ、 牧草、イネWCS、飼料用米)、飼料収穫体系により、1日当たり収穫面積は異なり、TDN生産1kgあたりの生産費は、北海道畑作地帯のトウモロコシ37円から府県の飼料用米の203円までの差の存在と、今後の国内産飼料の低コスト化の方向を明らかにした。 環境保全的視点を組み込んだ技術の経営評価手法の開発に関しては、収益性と環境に対する窒素負荷等の試算可能な営農計画モデルを構築し、南九州田畑作経営におけるダイコン-サツマイモ畦連続使用有機栽培体系の導入効果を示した。窒素収支や農薬、エネルギー 使用量の削減など環境負荷低減に寄与しつつ経営所得を高める等を明らかにした。 |
カテゴリ | 病害虫 有機栽培 環境負荷低減 乾田直播 管理システム 規模拡大 狭畦栽培 経営管理 コスト 栽培体系 飼料用米 飼料作物 新技術導入 水田 だいこん 大豆 低コスト 肉牛 乳牛 農薬 繁殖性改善 品種 放牧技術 輪作 ロボット |