課題名 | 多様なニーズに対応する米品種並びに栽培技術早期確立Ⅲ |
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研究機関名 |
地方独立行政法人北海道立総合研究機構農業研究本部上川農業試験場 |
研究分担 |
研究部水稲G |
研究期間 | 継H26~30 |
年度 | 2015 |
摘要 | 目的:水稲の初期世代の選抜強化により、耐冷性、耐病性が向上し、食味の高位安定した品種を開発する。また、葯培養により世代促進を図る。、成果:1)品質および食味関連形質:個体選抜試験、系統選抜試験、穂別系統選抜試験供試材料それぞれアミロース含有率について811、199、469点、蛋白質含有率について1647、205、557点の分析を行った。少量炊飯には系選で103点、穂系で210点を供試した(表1)。前年の個選での「ななつぼし」の値を基準とした選抜に由来する系選供試材料のアミロース含有率は、前年の個選に比べ「ななつぼし」より低い値にやや多く分布し、選抜の効果が確認された。また蛋白質含有率も同様に選抜の効果が確認された。、2)葉いもち圃場抵抗性評価:系統選抜試験供試材料615系統を供試した。前年のいもち個選に由来する系選供試材料の葉いもち発病程度は、一般個選に由来する系選供試材料と比較して、抵抗性判定「強」が多い分布を示した。、3)穂いもち圃場抵抗性評価:個体選抜試験供試材料、3組合せ合計8580個体を供試し、342個体を圃場で選抜した。、4)耐冷性評価:個体選抜試験供試材料、1組合せ合計2220個体を供試し、157個体を選抜した。系統選抜試験供試材料は615系統を供試した。前年の冷水個選での「大地の星」の稔実歩合を目安とした選抜に由来する系選供試材料の耐冷性評価は、「極強」に偏った分布を示した。、5)F1個体からの葯培養、前年度からの葯培養では2組合せの良食味を目標とした材料を供試した。約30000個の葯を置床し、約5900個体の緑色体を作出した。本年度の葯培養には、良食味と業務用それぞれ2組合せの材料を供試している。、6)A1系統およびA2系統の選抜、A1系統養成により得られた約3100個体の稔実個体から、稔実歩合や玄米品質などにより826個体を選抜した。選抜個体から、別課題で実施したマーカー検定(生物工学Gにて実施)により331個体を選抜し、A2系統養成に供試した。、7)登熟温度の違いによるアミロース含有率を調査した結果、低アミロース性遺伝子qAC9.3を保持する「上470号」は「ゆめぴりか」を含む他の供試品種系統と比べ、登熟温度の変動に対するアミロース含有率の変動幅が小さいことが示された。、8)7)と同様に「上育469号」「上育471号」の登熟温度に対するアミロース含有率の変動は「ゆめぴりか」よりも小さく、「ななつぼし」「きらら397」「ほしまる」と同程度と判断された。登熟温度に関わらず、アミロース含有率の高低は、「上育471号」<「ななつぼし」<「上育469号」<「ほしまる」<「きらら397」の順を示した。、9)その他の調査形質について、供試材料に共通して高温区では中温区および低温区と比べ、玄米白度、未熟粒率の上昇、玄米品質および整粒歩合の低下する傾向が見られた。、、、、、 |
カテゴリ | 栽培技術 水稲 抵抗性 品種 良食味 |