課題名 |
農作物病害虫防除等の新農薬並びに新肥料・資材効果確認試験、、新資材・肥料の特性と肥効に関する試験 |
研究機関名 |
宮城県古川農業試験場
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研究分担 |
土壌肥料部
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研究期間 |
完H27 |
年度 |
2015 |
摘要 |
<目的>、 新資材・肥料の特性を把握し,水稲栽培への効果的な利用法について検討する。、<成果>、a PKセーブ1ショットおよびPKセーブ1発25Aにより水稲作においてリン酸減肥しても欠乏症状は見られなかった。PKセーブ1ショットは生育初期から対照区と同等の窒素吸収量で推移した。ただし,対照に比べ,茎数が少ないが,葉色値は高く期待葉色値並に推移し,一穂籾数が多いため籾数は同等となった。このため,精玄米収量は同等となった。PK25Aは減数分裂期頃の葉色値が低いため,一穂籾数が対照区よりも少なく,単位面積当たりの籾数は対照区より少なかった。ただし,区間のばらつきが大きいことから,更なる検討が必要と考えられた。、b 水稲湛水直播栽培におけるモリブデン資材を用いた苗立ち安定化については、「べんモリ」は「カルパー」「鉄」と比較し,種子被覆を省力・低コストで,作業性および取り扱いが容易であり,出芽と苗立が良好であった。、c 農力アップ区は無施用区に比べ減数分裂期(7/16)に茎数が少ない傾向が見られたが,有効茎歩合は10ポイント高かったことから,穂数は同等となり,精玄米重も差は見られなかった。また,ケイカル区と同様に,水稲のケイ酸吸収量が生育後期(7/16-9/15)に多くなり,茎葉ケイ酸濃度も高まる傾向が見られたことから,農力アップはケイカルと同様の肥効があることが確認された。また,農力アップおよびケイカル施用により栽培跡地土壌の可給態ケイ酸は増加する傾向が見られた。、d 石灰窒素・黒ひかり施肥体系での水稲乾田直播栽培試験については、生育初期から生育が旺盛となった。品質では,乳白粒粒比がやや高く,玄米の外観品質はやや劣った。、e 基肥の有機態窒素割合を増やしても対照区と同等の水稲生育が確保され,収量も同等だった。また,追肥を尿素水口流入施肥で行い,施肥後の田面水窒素含有量にばらつきが生じた。その結果,田面水窒素含有量が低い調査区において1穂籾数が少なく白未熟粒の発生率が高い傾向が見られた。よって,環境保全米栽培において基肥の有機態窒素割合を増やすことは有効であるが,尿素水口流入施肥による追肥のばらつきを低減する方法を今後検討する必要があった。、f エコレット区はリン酸およびカリの施肥量が対照区よりも少なかったが,最高分げつ期頃にはエコレット区の稲体リン酸濃度はリン酸欠乏により茎数が減少するとされる0.7%を上回り,幼穂形成期頃のカリ濃度はカリ欠乏により一穂籾数が減少するとされる2.4%を上回った。また,一穂籾数を除いた千粒重や精玄米重等は,エコレット区が対象区とほぼ同等であった。以上より,エコレット055は一般的な化成肥料と同等の水稲収量品質が得られると推察された。、g 苗質対する腐植酸液状肥料の影響は見られなかったが,腐植酸培土では草丈が高く,根乾物重が少なく,充実度が低く,マット強度が高かった。育苗期間中の腐植酸液状肥料処理が移植後の水稲生育に及ぼす影響については,N3では200ppm,N6では100ppm処理によって移植1ヵ月後の茎数,乾物重が最も多くなった。よって,適した使用濃度はN基肥量よって異なり,N3は200ppm,N6は100ppmと考えられた。腐植酸培土は腐植酸液状肥料と比較し,同等もしくはそれ以上の茎数,乾物重だった。また,N3とN6の腐植酸培土の間に差が見られず,N施肥量が少なくても同等の生育が得られた。、h てんろ石灰を平成24年に1000kg/10a処理し,3作大豆栽培した後の水稲復元田では,栽培前の土壌pHが無施用区より高く,土壌中の可給態ケイ酸も10mg/100g乾土程度は多く,てんろ石灰の施用差が認められた。栽培後はスラグ区の稲体ケイ酸濃度および吸収量が多く,土壌中の可給態ケイ酸が39.8から35.3mg/100g乾土に減少し,無施用区との差は約7mg/100g乾土に縮まった。、収穫時の稲体のケイ酸濃度はスラグ区が他2区よりも高く,収穫時にはほ場全体に倒伏が見られたがスラグ区では倒伏が少ないことから,ケイ酸の残効が倒伏を軽減し整粒歩合を高めたと推察された。、以上,大豆作に施用したてんろ石灰の残効が水稲復元1年目にも認められた。、
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カテゴリ |
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