人と環境に優しい水稲減農薬防除技術の確立

課題名 人と環境に優しい水稲減農薬防除技術の確立
研究機関名 秋田県農業試験場
研究分担 生産環境部
研究期間 完H25~27
年度 2015
摘要 目的:育苗期、並びに本田でのより効果的な水稲病害防除技術およびアカスジカスミカメの効率的防除法を確立する。                                                成果:①苗の葉いもち防除試験では、播種時覆土前に灌注処理した水和剤が3剤、散布した粒剤が1剤、緑化期に灌注処理した水和剤が2剤で高い防除効果が確認された。②プロベナゾール箱粒剤の減量(25g/箱)処理は、栽植密度 50株/坪では葉いもちに対して防除効果が確認されたが、栽植密度 37株/坪では葉いもちに対して防除効果の低下が確認された。③湛水直播栽培において、プロベナゾール粒剤の2kg/10a水面施用およびプロベナゾール顆粒水和剤の250g/10aの側条施用は葉いもちに対して防除効果が認められた。④イヌホタルイの発生によりアカスジカスミカメが多発生した条件下では、いずれの散布時期でも斑点米混入率を0.1%以下にすることはできないが、頂部斑点米は出穂期9日後、側部斑点米は出穂期17日後の薬剤散布効果が高いことが明らかになった。⑤ジノテフラン液剤をイネ出穂期17日後頃に散布する条件で推定した頂部+側部、頂部斑点米混入率と7月下旬のイヌホタルイ穂数の間には有意な相関が認められ、頂部+側部、頂部斑点米混入率0.1%に相当するイヌホタルイ密度はそれぞれ15.4穂/㎡、33.9穂/㎡であった。⑥ジノテフラン液剤をイネ出穂期10日後頃に散布する条件下において、7月下旬のイヌホタルイ穂数と斑点米混入率の間には有意な相関が認められ、斑点米混入率0.1%に相当する95%信頼区間の上限は6.3穂であった。⑦イヌホタルイの6月下旬の株数と7月下旬の穂数との間には正の有意な相関が認められ、7月下旬のイヌホタルイ穂密度が6.3、15.4、33.9穂/㎡に相当する6月下旬株密度の95%信頼区画の上限値はそれぞれ0.04、0.94、3.73株/㎡と推定された。2013~2015年の病害虫防除所巡回調査結果から1回目薬剤散布をイネ出穂期10日後とした場合に50~60%の圃場で追加防除が必要であると推定された。1回目薬剤散布をイネ出穂期17日後とした場合には10~20%の圃場で追加防除が必要であり、うち約半数の圃場では1回目薬剤散布時期を17から10日に変更する必要があると推定された。⑧水田内雑草が発生していない「つぶぞろい」作付け圃場で、アカスジとアカヒゲが混発している条件下において、出穂期9、10日後薬剤散布区の斑点米抑制効果が最も安定して高かった。⑨水田内雑草が発生していない「あきたこまち」作付け圃場で、アカスジとアカヒゲが混発している条件下において、出穂期16、17日後薬剤散布区の斑点米抑制効果が最も高かった。⑩割籾は早生品種で多く、概ね出穂期20日後以降に急増した。斑点米加害部位割合は、早生品種は側部加害、中晩生品種は頂部加害が主体であった。秋田116号は斑点米加害リスクが低い品種であると考えられた。⑪カルパー直播と鉄コーティング直播は、水田内でアカスジ成虫とカスミカメムシ類幼虫が普通栽培より多く確認された。カルパー直播と鉄コーティング直播は普通移植に比べて割籾の発生が少なく、斑点米混入率はいずれの圃場も同程度であった。⑫出穂期が遅い圃場において、8月下旬のアカスジカスミカメ成虫の発生量が多い傾向が認められた。アカヒゲホソミドリカスミカメ成虫は出穂期の早い圃場で発生が確認されたが、アカスジカスミカメ成虫に比べて発生量は極めて少なかった。⑬8月下旬のノビエ穂数/㎡と斑点米混入率の間には有意な相関が認められ、斑点米混入率0.1%に相当する95%信頼区間の上限は2.7穂/㎡であった。7月下旬のノビエ株数が0.9株/㎡の場合に8月下旬のノビエ穂数が2.7穂/㎡なると推察された。
カテゴリ 病害虫 アカスジカスミカメ 育苗 カメムシ 雑草 直播栽培 水田 水稲 農薬 播種 斑点米 病害虫防除 品種 防除 薬剤

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