摘要 |
【目的】毎年、一定の耕種条件下で大豆の生育経過および収量・品質を調査し、栽培指導上の情報を関係機関に提供するとともに、作柄解析を行う。、【成果】 播種期前後にあたる5月下旬と6月中旬は晴れの日が多く、播種作業は順調に進んだ。適度な降雨の影響で出芽は良好であった。里のほほえみの草丈および主茎長は標播、晩播共に大きく推移し、標播では倒伏の発生が顕著だった。エンレイの草丈および主茎長は標播、晩播共に大きく推移し、標播、晩播共に倒伏の発生が顕著だった。里のほほえみの開花期は、標播で7月24日、晩播で8月1日であった。エンレイの開花期は、標播で7月23日(平年差+4日)、晩播で7月31日(平年値)であった。8月下旬から9月にかけて降水量が多く、気温が低めに推移し、登熟がやや停滞し、里のほほえみ、エンレイともに成熟期が遅延した。里のほほえみの成熟期は標播で10月26日、晩播で10月30日であった。エンレイの成熟期は、標播で10月16日(平年差+5日)、晩播で10月21日(平年差+7日)だった。里のほほえみの子実収量は標播39.0㎏/a、晩播36.8㎏/aであった。エンレイは、標播、晩播共に莢数が平年より多く(平年比:標播147%、晩播115%)、一莢粒数はほぼ平年並み(平年比:標播100%、晩播94%)で、百粒重もほぼ平年並み(平年比:標播103%、晩播100%)だったため、子実収量は標播36.6㎏/a(平年比117%)、晩播36.1㎏/a(平年比114%)と平年より大きかった。里のほほえみ、エンレイともに高い収量が得られた。これは、開花・着莢期まで天候が良く、十分な着莢数が得られ、かつ最大繁茂期の栄養状態が良かったことに加え、登熟期前半が寡日照ながら登熟期間を通じて適度な降雨があり、子実肥大が順調に進んだためと考えられる。里のほほえみ、エンレイともに、しわ粒、裂皮粒の発生が少なくなったため、正常粒の割合が高くなった(標播、晩播共通)。
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