課題名 |
木質バイオマスを素材とした樹木の凍害防止防止資材の開発、 |
研究機関名 |
岡山県農林水産総合センター農業研究所
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研究分担 |
果樹研究室
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研究期間 |
完H25~27 |
年度 |
2015 |
摘要 |
1.新規保護材の作成、森林研究所木材加工研究室と共同して開発した新規保護材は、透湿性防水シートを用いて作成した長さ2.5m、幅20cmの袋に、未利用の木質バイオマスであるヒノキのプレーナー屑を充填物として厚さ3~4cmになるように詰め、ヒートシーラーを用いて封入して作成した。、2.新規保護材の保温性と凍害の回避効果、新規保護材をモモ「清水白桃」の主幹部に巻き付けると、主幹部の最低温度は、稲わら処理樹とほぼ同程度かやや高く、無処理樹より4~5℃前後高かった。一方、最高温度は、稲わら処理樹より4~6℃、無処理樹より9~10℃前後低く、日較差が小さかった。、また、無処理樹で発生した枯死や衰弱症状は新規保護材を用いた場合には認められなかったため、モモの凍害対策として有効であることが明らかとなった。、3.準高冷地のブドウへの応用、高冷地研究室でのブドウを供試し、3年間検討した結果では、主幹部の最低温度が無処理樹では-10℃を下回る場合でも、新規保護材を巻き付けると-3℃前後となり、主幹部表面の温度が明らかに高かった。ただし、無処理樹にも凍害が発生しなかったことから、凍害回避効果は判然としなかった。、また、新規保護材で主幹部を保護しても、発芽期からの地上部の生育は影響を受けないことも明らかとなった。、4.実用化に向けた改良、森林研究所木材加工研究室では、新規保護材の製造の簡素化あるいは自動化を目的とし、透湿性防水シートの原反から細長い袋を作成するための半自動のヒートシーラーと、プレーナー屑を袋に任意量を充填できる専用のホッパー装置を開発した。また、充填物の偏りを抑えるため、タグピンを一定間隔で打つ方法を考案した。これらの意匠と森林研究所林業研究室及び農業研究所で実施した、クリ、モモ及びブドウを供試した結果とを合わせて、「樹木用の寒害防止材」として平成27年7月に実用新案申請した。
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カテゴリ |
加工
くり
凍害
ぶどう
もも
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