課題名 |
促成ナスの日焼け果防止技術の確立 |
研究機関名 |
岡山県農林水産総合センター農業研究所
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研究分担 |
野菜・花研究室
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研究期間 |
完H25~27 |
年度 |
2015 |
摘要 |
日焼け果の発生は果面結露が関与していると考えられるが、既往の果面結露抑制方法にはコストや生育への悪影響等の問題があり、普及していない。また、農薬散布時の展着剤加用等の現地慣行対策は効果が不明である。そこで、生産者が低コストで簡便に実施できる日焼け果防止技術を確立する。、1.灌水量の増加及び朝の換気による日焼け果の発生抑制効果の検討、3月上旬から6月上旬にかけて換気扇の設定温度を、朝6時から10時の間は22℃にし、その後は28℃とする朝換気ハウスを設置し、終日28℃とする慣行換気ハウスとの間で日焼け果の発生率を比較した。さらに各ハウスに灌水開始点をpF2.0とする慣行灌水区と、pF1.6とする多灌水区を設置して、日焼け果の発生率への影響をみた。台木「台太郎」に穂木「千両」を接ぎ木して促成栽培した。その結果、処理期間中のハの字型、あるいは不定型・円型の日焼け果発生率は、慣行換気ハウスでは平均13あるいは5%であったのに対し、朝換気ハウスでは5あるいは3%と低下する傾向にあった。一方、多灌水区では慣行灌水区に比べて収穫終了時の根の吸水量は多かったものの、日焼け果の発生率には明瞭な差は認められなかった。、2.現地圃場における土壌水分率と日焼け果の発生との関係、台木「台太郎」に穂木「千両」を接ぎ木して栽培している生産者の7圃場において、5月13日に、畝の中心部の土壌水分率と樹上の果実の日焼け症状の発生との関係を検討した。その結果、土壌水分率は圃場間で25~35%の範囲にあり、かなり乾燥しているところもあった。土壌水分率が低い圃場で、日焼け果の発生率(3~28%)が高い相関関係が認められた。、3.果実に散布する展着剤「スカッシュ」の濃度と日焼け果の発生との関係、果長10cmに達した収穫数日前の果実を無作為に選び、展着剤「スカッシュ」の5000倍、3000倍、1000倍液あるいは水を散布した。各処理の収穫果実における、日焼け果発生率を調査した。その結果、水散布では日焼け果発生率が30%であったのに対し、「スカッシュ」を散布した区では、5000倍液で12%、3000倍液で8%、1000倍液では5%で、濃度が高いほど日焼け果の発生が少ない傾向にあった。、
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カテゴリ |
病害虫
乾燥
コスト
台木
接ぎ木
低コスト
なす
農薬
日焼け果
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