農業生物の生産性向上・有用形質付与等に向けた遺伝子機能の解明

課題名 農業生物の生産性向上・有用形質付与等に向けた遺伝子機能の解明
課題番号 2019030580
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
協力分担関係 民間(6)
理化学研究所
中国農業科学院
大学(8)
研究期間 2016-2020
年度 2019
摘要 ゲノム情報の整備に関しては、農業情報研究センターデータ戦略室が利用するクラウドサービス内にRDF(Resource Description Framework)化と呼ばれる方法でデータの関係性を記述したTogoGenome システムを構築した。
環境ストレス応答や生産性に関わる遺伝子については、イネの高温不稔に関わる遺伝子発現制御機構を解明したほか、イネのリン酸欠乏ストレス応答で機能するPHR タンパク質とDNA の複合体の立体構造を明らかにした。また、イネの出穂期に影響を与えるOsELF3-1 遺伝子の作用機構を明らかにし、栽培地域の気候に適した出穂期・収穫時期を持つイネ系統確立に向けて新たな知見を示した。有害生物制御については、温室効果ガス(一酸化二窒素)の発生に関わる土壌微生物硝化酵素(HAO)の阻害化合物287 種類についてアンモニア酸化細菌(AMO)の生菌阻害活性を測定し、50%阻害以上の高活性AMO 阻害剤20 種類を選抜した。センチュウ抵抗性誘導物質については、植物由来化合物フィトールの病害スペクトラムを明らかにすることを目的として、土壌病害である青枯病に対する防除効果の有無を検証したが、効果は認められなかった。
ウンカ・ヨコバイ類に対するイネの抵抗性遺伝子については、イネの師部で発現する抵抗性遺伝子GRH7 とGRH1 が同一遺伝子であることを明らかしたほか、最近飛来したトビイロウンカに抵抗性を示したqBPH6 が、既存の抵抗性遺伝子であるBPH32 とは異なる新規の遺伝子である可能性を示した。
このほか、500 系統以上のイネを対象としたゲノム多様性情報や、農業形質に関わる遺伝子リストの公開、ゲノムブラウザTASUKE+の機能強化、カイコの高精度ゲノム配列情報及び新規トランスクリプトームデータを反映した新KAIKObase の構築と関係者向けの公開、根粒形成に関わる新規遺伝子ASL18a の同定とメカニズムの解明、害虫抵抗性化合物のロリオライドよりも約30 倍高い害虫抵抗性誘導活性を有し、かつ安価なα-ヨノンの発見、トバモウイルス抵抗性に関わる4 個のTOM1 遺伝子ホモログの組み合わせでトマトモザイクウイルス抵抗性を示すことの発見、新規RNA ウイルス増殖抑制方法の開発、等の成果が得られた。
カテゴリ 青枯れ病 カイコ 害虫 抵抗性 抵抗性遺伝子 トマト 防除

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