農業生物の生産性向上・有用形質付与等に向けた遺伝子機能の解明

課題名 農業生物の生産性向上・有用形質付与等に向けた遺伝子機能の解明
研究機関名 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能部門 遺伝子利用基盤研究領域
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能部門 植物・微生物機能利用研究領域
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物機能部門 昆虫制御研究領域
協力分担関係 民間(15)(のべ数)
公設試験研究機関(5)
(国研)理化学研究所CSRS
ユリウス・クーン研究所(ドイツ)
ライプニッツ植物遺伝作物学研究所(ドイツ)
中国農業科学院・植物保護研究所
大学(20)
研究期間 2016-2020
年度 2020
摘要 農業生物のゲノム解読による基盤ゲノム情報の高度化では、個別のデータベースに格納さ れているイネ、コムギ、オオムギ、ダイズ、カイコのゲノム情報及び遺伝子情報を統一的な形式である RDF 化し、公開に向けて、複数のオミクス情報を統合的に扱うことのできる農研機構統合ゲノムブラウザ(TogoGenome システム)のポータルサイトを開発した。国際コンソーシアムの一員として栽培コムギ 15 品種のゲノム配列を高精度で解読し、成果を Nature 誌に発表するとともに、高級マスクメロンの標準系統である「アールスフェボリット春系 3 号」について全ゲノム情報を解読し、データベースを公開した。そのほか、多数のゲノム情報を効率的に利用するシステム 1,000 品種TASUKE について、ゲノムデータを効率的にクラスタリング、表示する手法を改良した。農業昆虫のゲノム情報を扱う新 KAIKObase を外部に公開するとともに、複数ゲノムを可視化する TASUKE+を導入して SNP などの比較ゲノム解析を容易にした。シロイチモジヨトウの参照ゲノム配列・予測遺伝子配列情報をデータベース化し、カイコ絹糸線他の 100 以上のトランスクリプトームデータからのAI によるネットワーク解析により有用物質生産関連遺伝子候補を同定した。
農業生物の遺伝子の機能解明と遺伝子機能高度解析技術の開発では、フィールドで栽培した NARO World Rice Core Collection(WRC) 61 系統(世界の代表的なイネ系統)のフェノーム・トランスクリプトーム解析からイネの干ばつストレスマーカー候補遺伝子を同定するとともに、冠根直径を正に制御する遺伝子を同定した。このほか、コムギ縞萎縮ウイルス抵抗性に関わる遺伝子の同定と、イネ温度感受性雄性不稔原因遺伝子を同定し、高温依存的雄性不稔形質付与技術を開発した。施設栽培作物画像データからの個体 3D モデル構築と光合成量推定法を確立し、連携企業が令和 3 年度に製品化の見込みである。
植物と病原微生物との相互作用の解明では、令和元年度にゲノム編集を用いて取得したトバモウイルス抵抗性トマトが基本生長には問題なく、既存の抵抗性遺伝子が効かない新たな病原性トバモウイルスにも有効であることを示した。このほか、クロロフィル由来のフィトールによる線虫(ネコブセンチュウ)抵抗性についてフィトールの代謝産物であるトコフェロールが抵抗性誘導の実体であることを解明した。また、窒素固定を行うマメ科植物と根粒菌との親和性を決定する機構を解明した。
革新的な虫害抵抗性育種素材の開発に向けた加害・耐虫性因子の機能解明では、トビイロウンカ抵抗性遺伝子の染色体上の候補領域を絞り込み、コシヒカリにトビイロウンカ圃場抵抗性遺伝子(qBPH6)を導入したNIL 候補系統を確立するとともに、もう一つの抵抗性遺伝子(BPH1)のNIL 候補系統を次世代作物開発研究センターに受け渡した。そのほか、qBPH6 がトビイロウンカの吸汁阻害を誘起することを確認した。タバココナジラミの選好性及び抗生性に優れるメロン系統を選抜した。ジーンバンクのイネコアコレクション 69 品種からヒメトビウンカ抵抗性を示す 6 品種を同定した。
カテゴリ 育種 大麦 カイコ 施設栽培 大豆 タバココナジラミ データベース 抵抗性 抵抗性遺伝子 トマト ヒメトビウンカ 品種 メロン

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる