課題名 | 施設野菜の高品質安定多収技術の高度化と大型施設での高効率・高収益生産の実証 |
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研究機関名 |
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 九沖農研 園芸研究領域 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研 農地基盤工学研究領域 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き部門 野菜生産システム研究領域 |
協力分担関係 |
民間(60)(のべ数) 社団・財団法人等(2) 農協・農事組合法人(1) 地方公共団体等(3) 公設試験研究機関(43)(のべ数) 独法・国研等(1) 大学(34)(のべ数) |
研究期間 | 2016-2020 |
年度 | 2020 |
摘要 | 生育・収量予測技術(ミクロ予測)を API 化して農業データ連携基盤(WAGRI)上に整備し、公開した。関連技術の特許網を拡大し(計 30 件以上)、職務作成プログラムにより著作権を確保し、サービス化や製品化に向けた体制を整備した。過去の出荷情報と気象情報から AI を用いて産地全体の出荷量を予測するマクロ出荷量予測技術を開発し、WAGRI-API を制作した。このマクロ予測を九州沖縄経済圏スマートフードチェーンプロジェクト(九沖 SFC プロ) において八代地域(トマト生産者約 400 戸)での出荷量予測に適用したところ、予測誤差は13%であり、ミクロ予測の花数・果実数のパラメータを加味することで週間出荷量の予測誤差は-0~10%以内となった。施設園芸の作業体系の効率化策として、入作業管理システム(バーコード型)を開発・製品化し、花き生産法人での実証を通じ、3 タイプのシステムの標準作業手順書(SOP)案を作成した。 イチゴの光合成等のメカニズムに基づく環境・生育制御技術の開発においては、局所適時CO2 施用技術を開発し、「恋みのり」や「よつぼし」の株元への局所適時 CO2 施用による増収を確認し、換気と連動した CO2 施用を可能にするための二酸化炭素施用リミット装置を特許出願した。また、その実証と体系化として、局所適時 CO2 施用技術の導入により、機械費は経費全体で 2.7%増加したが、10a あたり収量は 5.3%、販売収入は 3.9%増加し、6.4%の利益増の見込みとなったことを明らかにした。 園芸施設の補強/強靱化技術の開発として、台風 15 号(令和元年)及び台風 18 号(平成 26 年)による被災温室の被災メカニズムを分類し、4つにパターン化した。間接的な被害として、飛散物の衝突と棟近傍の負圧による被災もみられた。台風など強風時に想定される気流パタ ーンは立地条件やパイプハウス群の配置によって異なり、強風対策は一様でないことを明ら かにした。ヒートポンプ等の装置を利用した統合的な環境制御技術として、地下水熱源方式の直接膨張式ヒートポンプ(横串プロジェクト)を空気熱源方式のものと比較したところ、地下水熱源方式ではデフロスト運転がないために、夜間の気温は安定して推移し、その時間帯の平均気温は約 1℃高くなっており、冬期の省エネルギーとして利用可能なことを明らかにした。また、夏期の高温抑制と冬期の省エネルギーに資するためのヒートポンプの地下水以外の熱 源として、那須野ヶ原地区用水路の水温を長期観測した結果、最高気温となる 8 月は、水温は気温よりも約 10℃低く、また 2 月に最低水温となるが、気温よりは高く、採熱は可能であること、農業用水は良質な熱源であることを明らかにした。 |
カテゴリ | 安定多収技術 いちご 環境制御 作業管理 CO2施用 施設園芸 出荷調整 省エネ・低コスト化 トマト ヒートポンプ |