新樹形によるモモの低樹高・軽労化栽培技術の開発

課題名 新樹形によるモモの低樹高・軽労化栽培技術の開発
研究機関名 岡山県農林水産総合センター  農業研究所
研究分担 果樹研究室
研究期間 R2~R6
年度 2020
摘要 目的:モモ台木の「ひだ国府紅しだれ」は、凍害防止に有効なだけでなく、樹高が低く抑えられる特性を持つ。そこで、軽労化(年労働時間約10%減)を目的として、「ひだ国府紅しだれ」台木を用いたモモの低樹高栽培法を開発し、新規参入者が取り組みやすく、改植や新植による規模拡大に対応した早期多収栽培技術を確立する。
成果:
1.新樹形による「ひだ国府紅しだれ」台樹の特性把握
 「ひだ国府紅しだれ」台の「清水白桃」(9年生)の生育、収量、果実品質について検討した結果、慣行の「筑波5号」台樹に比べて、樹高が低く、樹冠占有面積当たりの収量には差がなかった。果実重、糖度には差がなかった。
2.「ひだ国府紅しだれ」台を用いた低樹高樹における早期多収栽培法の確立
 2本主枝で亜主枝を設けないY字形仕立てに適した栽植密度を明らかにするため、「ひだ国府紅しだれ」台によるY字形仕立て樹の樹間を4m及び5mに設定し、樹間7.5mの「筑波5号」台による開心自然形樹と生育、収量及び果実品質を比較した結果、10a当たりの収量は、慣行と比較して、いずれも約1.4倍と早期多収が可能で、果実品質は大差がなかった。また、やや密植にするため、慣行と比較して10a当たりの作業時間は多いものの、生産性はいずれも慣行の約1.15倍に向上した。
3.台木の違いがオリジナル新品種の生育、収量及び果実品質に及ぼす影響
 台木の違いが5年生の「白皇」、「白露」の生育、収量及び果実品質に及ぼす影響を検討した。その結果、「ひだ国府紅しだれ」台樹は慣行の「筑波5号」台樹より、樹勢がやや抑制され、樹高がやや低く、樹冠占有面積がやや小さかったが、収量に大差はなく、果実品質は同等であった。
カテゴリ 改植 規模拡大 軽労化 栽培技術 新品種 台木 多収栽培技術 低樹高 凍害 もも

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