課題名 | 需要の動向に即した水稲・麦類・大豆新品種系統の作柄安定化対策試験 |
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研究機関名 |
佐賀県農業試験研究センター |
研究分担 |
作物部 |
研究期間 | 継H7~ |
年度 | 2020 |
摘要 | 目的:有望品種・系統の早期普及を図るため、品種の特性にあった栽培技術の早期確立を図る。 成果:(1) 水稲の有望品種「佐賀69号」の植付株数について検討した結果、玄米重は密植区において最も多く、品質は疎植区では充実不足により外観品質が低下した。また、玄米タンパク質含有率も高くなった。栽植密度を粗くすると、一次枝梗籾も二次枝梗籾も増加するが、登熟歩合が低下し、収量や品質への影響がみられたことから、「佐賀69号」は、やや密植(60株/坪以上)で栽培し、一穂籾数を付け過ぎないように一穂あたり100粒~110粒程度を目標とすることが望ましいと考えられた。また、施肥基準についても検討したところ、増肥による増収効果は小さく、穂肥を控えることで登熟歩合が向上し、収量・品質に優れた。刈取り時期についても検討したところ、1,050℃~1,100℃と「ヒノヒカリ」よりもやや遅く収穫することで品質は優れた。 (2) ①「はるか二条」の赤かび病防除を適期に実施するために出穂期を推定するためのプログラムを開発し、各地域農業改良普及センターに配布を行った。 ②パン・中華めん用有望品種「はる風ふわり」安定栽培技術の確立を図るために、作期と播種量を組み合わせた試験を実施したところ、早播きでは、稈長も100cmを超えており倒伏程度もやや大きく、凍霜害も発生したことから、11/5播種では多収の可能性はあるものの倒伏・凍霜害リスクも大きく避けるべきであると考えられた。この成果については、“「はる風ふわり」栽培マニュアル“として印刷・製本し、各指導機関へ配布を行った。 ③フランスパン用有望品種「さちかおり」の施肥基準について検討した。穂揃期追肥の効果により、10a当たり窒素を1kg施用すると子実タンパク質含有率が約0.4%向上することが確認できた (3) 大豆有望品種「四国31号」について、作期ならびに栽植密度の組み合わせによる栽培条件ついて検討を行った。この結果、最も子実重が多かったのは7月16日播きの21.1株/㎡(3条)であり、品質も優れた。また、増収の要因として、百粒重が重く、大粒率が高かったことが影響したと考えられた。ただし、青立ち程度については全株の1割弱が青立ちしており、倒伏程度も大きかったことから、本品種の導入については、慎重な検討を要する。 |
カテゴリ | 安定栽培技術 栽培技術 栽培条件 新品種 水稲 施肥 大豆 播種 品種 防除 |