課題名 | かんしょと野菜を核とするデータ駆動型生産システムの構築 |
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研究機関名 |
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
九沖研 |
協力分担関係 |
民間(7) 大学等(4) 公設試(4) 協同組合(1) 公益法人(1) |
研究期間 | 2021-2025 |
年度 | 2021 |
摘要 | ・ サツマイモ基腐病抵抗性の強い品種育成に向けて、育成途中の系統の抵抗性評価を行うことにより、基腐病抵抗性に優れる焼酎用新品種候補系統「九州200号」を予定より1年前倒しで品種登録出願した。基腐病発生ほ場における収量は、基腐病に弱い焼酎用主力品種「コガネセンガン」の5~7倍であった。所内には抵抗性評価を行うための基腐病発生ほ場がなかったため、鹿児島県の生産者の発生ほ場で2カ年の抵抗性評価試験を行うとともに、酒造メーカー数社による醸造適性評価を行うなど、短期間で高い性能の品種の育成に成功した。 ・ かんしょ植え付け前の湛水処理によるサツマイモ基腐病被害抑制効果について、2週間や8週間よりも4週間の湛水期間の効果が高いことを現地実証試験で明確化した。 ・ サツマイモ基腐病菌の高感度迅速検出技術を植防研と共同開発した。従来の顕微鏡等による診断の所要期間約2週間を最短約1日に短縮させるとともに、症状からは見分けにくい乾腐病(かんぷびょう)との識別も容易となり、まん延防止への貢献が期待され、2021年農業技術10大ニュース第1位となった。イノベ事業の参画県である宮崎・鹿児島・沖縄各県の協力を得て多数の菌株のDNA配列データに基づいて高感度かつ漏れの無い検出プライマーを設計できたことが成果の創出に大きく貢献した。 ・ 野菜の安定生産に向けた取組として、アスパラガスの2つの育成系統が九州・沖縄地域から分離された茎枯病菌に対して抵抗性があり、対照品種に比べて2~4割の発病株率であることを提示した。 ・ イチゴ「恋みのり」のがく枯れ対策技術に関しては、現地実証を行い、栽培技術のSOPを改訂した。 ・ 移植栽培が主流のタマネギ向けに直播作業機を開発した。初期生育を安定させるために農研機構がこれまでに開発した溝底播種技術とリン酸局所施肥技術を含む5つの作業を1工程で実施可能となった。本機の利用により育苗が不要となり、歩行型定植機を用いた移植体系に比べ、労働時間、生産コストともに約3割低減する画期的な技術であり、2021年農業技術10大ニュース第3位となった。農研機構が生産者団体、民間企業、県と連携して実現した除草剤の登録拡大による除草体系の確立も成果創出に大きく寄与した。 ・ イチゴの輸出拡大に向けた増収技術に貢献する新たなCO2施用技術として、温室の昇温を防ぐ換気時にCO2の施用を停止して流亡を防ぐCO2リミット装置に追加する新機能「距離センサによる温室窓の開度モニタリング機能」を開発し、特許出願した。試作機の製作には、技術支援センター職員の創意工夫が大きく貢献した。本技術は、CO2発生のための燃油使用量削減と増収の両立に貢献した。 ・ サトウキビの世界的な重要病害である黒穂病のDNAマーカーを資金提供型共同研究で加速して開発した。マーカーとその利用に関する特許を共同取得した。 |
カテゴリ | アスパラガス 育苗 いちご かんしょ 技術支援 コスト 栽培技術 さとうきび CO2施用 除草 除草剤 新品種 施肥 たまねぎ DNAマーカー 抵抗性 播種 品種 モニタリング 輸出 |