多収穫米を活用した有機米の新たな需要創出

課題名 多収穫米を活用した有機米の新たな需要創出
研究機関名 島根県農業技術センター
研究分担 栽培研究部・有機農業科
資源環境研究部・土壌環境科
総務企画部・企画調整スタッフ
研究期間 継R3~4
年度 2021
摘要 ■目的:現行の水稲有機栽培体系では、除草作業に要する労働力が大きく、さらに反収が低いことから一般米に比べ1.5倍の生産コストがかかり、面積拡大が進んでいない。そこで、多収穫品種を活用した収量向上や機械除草体系による有機米の多収、低コスト化を現地の実証と平行して早期に実現し、新たな需要にも対応した有機米販売価格9,000円/30kgを可能とする栽培技術を確立する。
■成果:【有機栽培に適した多収穫品種の選定】有機多収穫に適した品種を検討した結果、収量等の面から極早生熟期では‘にじのきらめき’、早生・中生熟期では‘たちはるか’が適すると考えられたが、‘たちはるか’は成熟期が遅く作付地帯が限定されるため‘きぬむすめ’が実用的であると考えられた。
【多収を実現する施肥水準と施肥法の確立】有機多収栽培に適した窒素施肥法を検討した結果、‘にじのきらめき’は全期間を通じて有機質肥料含有窒素の利用率が高く、基肥で3kg/10a、幼穂形成期追肥で4kg/10aの施肥体系により収量は511kg/10aとなり、目標の540/10aには至らなかったが500kg/10aを超える結果であった。‘ほしじるし’は基肥で3kg/10a、減数分裂期の追肥で4kg/10aの施肥体系により収量は538kg/10aと目標の540kg/10aに近い結果となった。ただし、土壌由来の地力窒素を特異的に吸収する特性が強いためか施肥による利用率が極めて低く、無肥料区でも収量が523kg/10aであり、施肥量には課題が残った。また、紋枯病発生により登熟が下がるリスクも判明したことから、‘ほしじるし’については品種の変更も視野に入れる必要があると考えられた。
【水稲有機栽培体系の省力低コスト化】低コストで効率的な除草体系を確立するため、新たな除草機の開発のための試験を農機メーカーと共同で実施した。低コストな抑草法として「トロトロ層」の形成を促す技術を検討した結果、前年9月から植代までの長期湛水を行うことで「トロトロ層」の形成が促進され、雑草抑制効果が高まることが判明した。
【有機多収穫現地実証】有機多収穫米の現地実証を県内3法人で行った結果、いずれも除草効果や水稲の生育は良好であったが、病害虫の被害により登熟歩合が低下したため、実収量は360~485kg/10aで目標の540kg/10aには至らなかった。ただし、有機多収穫米の収量はいずれの経営体でも通常の有機栽培を上回っており、今後は病害虫対策等により有機多収穫米の有利性が得られる可能性がある。
カテゴリ 有機栽培 肥料 害虫 経営管理 コスト 栽培技術 雑草 収量向上 除草 除草機 水稲 施肥 低コスト 病害虫防除 品種

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