課題名 | 加温栽培ブドウの日没前昇温(BEOD加温)による成熟促進メカニズムの解明 |
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研究機関名 |
島根県農業技術センター |
研究分担 |
栽培研究部・産地支援科 |
研究期間 | 継R2~4 |
年度 | 2021 |
摘要 | ■目的:本研究の目的は、これまで研究を継続してきたBEOD加温とEOD加温について、日没前後の昇降温によって生じる‘デラウェア’の生理生態反応を比較し、なぜBEOD加温の糖集積が促進されるのか作用メカニズムを解明することにある。 ■成果:【クイックドロップ(QD)効果】 1)純同化率の調査 BEODの純同化率は2.9g/㎡/日で、EOD加温の2.4g/㎡/日より有意に高かった(R2)。 2)降温温度の解明 降温温度について、10℃、1時間処理後に13℃に再上昇させる温度管理は、慣行(13℃一定)に対して、果実糖度が高くなった(R3)。 3)昇温時間の解明 BEOD加温における25℃、1時間の昇温時間は、慣行(2時間)と比較して、果実糖度が0.8%低くなった(R3)。 4)13Cトレーサー法によるQD効果の解明 13Cトレーサー法を用いてQDと慣行法における転流促進効果を調査したところ、同化産物の果実分配率に差はなかった(R3)。 【昇温による光合成能の活性化】 1) 光合成速度の調査 BEOD加温では、25℃までハウス内温度を高めることから、光合成速度が再び上昇した(R2)。このことは1,1)で示したBEOD加温の純同化率増加を裏付けるデータとなった。 【降温による葉色値の向上】 1) 静電容量値調査 QD時における葉柄内師管液の変化について静電容量値を用いて測定することを試みたが、測定値のばらつきが大きく、判然としなかった(R3)。 2) 葉柄樹液診断におけるグルコース濃度の把握 QD時における葉柄内師管液の変化を捉える別の方法として、葉柄樹液診断に着目した。その結果、転流糖の一つであるグルコースについて、葉柄樹液診断と常法(液クロ)との測定値には正の相関関係が認められた(R3)。 |
カテゴリ | 温度管理 ぶどう |